愛犬の健康を守るためのダイエット(第1回/全5回)必要性と原因、肥満の判定

ダイエットとは単に体重を減らすことだけでなく、健康と長寿を促進するためのバランスの取れた栄養管理と適切な運動を指します。愛犬が適正な体重を維持することは、関節の負担軽減、心臓病や糖尿病などの病気のリスク軽減に繋がります。
肥満は誰でもいつでもなる可能性があり、また、やり方をマスターすればすぐに改善に着手できる問題です。これから5回に分けて、愛犬の健康を守るためのダイエットについて解説していきます。
今回は、必要性と原因、肥満の判定について解説します。
犬のダイエットの必要性
肥満の犬は以下のような健康問題に直面するリスクがあります。どれも楽しい生活、幸せな長寿の実現を妨げる深刻な問題ですので、肥満を解消すべくダイエットを感がたいものです。
- 関節疾患: 体重が増えることで、関節に過剰な負担がかかり、関節炎や股関節形成不全のリスクが高まります。
- 心臓病: 体重過多は心臓への負担を増加させ、心不全を引き起こす可能性があります。
- 糖尿病: 体脂肪がインスリンの効果を妨げ、血糖値のコントロールが難しくなることがあります。
- 呼吸器疾患:気道圧迫や免疫低下により、気管虚脱、気道炎症等のリスクが高まります。
- 寿命の短縮: 肥満は犬の寿命を縮める要因となることが研究で示されています。
犬が肥満になる原因
犬が肥満になる主な原因は以下の通りで、ほぼ人間と同様かと思います・・
1. 過剰な食事量
市販のドッグフードやおやつを与えすぎることが、肥満の大きな原因です。特に、高カロリーのフードや頻繁なおやつは体重増加を招きやすいです。
2. 運動不足
散歩や遊びの時間が十分でないと、摂取したカロリーを消費できず、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されます。
3. 遺伝的要因
特定の犬種は遺伝的に肥満になりやすい傾向があります。このような犬種の場合、特に注意が必要です。太りやすい犬種としては、以下のような例が挙げられます。
ラブラドール・レトリバー
ゴールデン・レトリバー
シェットランドシープドッグ(シェルティ)
コッカースパニエル
ミニチュアダックス
ミニチュアシュナウザー
ビーグル
チワワ
パグ
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4. 老化や健康状態の変化
年齢を重ねると代謝が低下し、体重が増えやすくなります。また、甲状腺機能低下症などの病気が肥満を引き起こすこともあります。
5. 飼い主のライフスタイル
飼い主が忙しい生活を送っていると、散歩の時間が短くなったり、ついフードを多めに与えたりしてしまいがちです。
愛犬が肥満かどうか判断する方法
愛犬が肥満かどうかを確認するためのポイントを以下に挙げます:
1. 肋骨を触る
愛犬の肋骨を軽く触ってみてください。肋骨に簡単に触れることができない場合、脂肪がつきすぎている可能性があります。
肋骨チェックの詳細な手順
- 愛犬がリラックスした状態で、脇腹に手を当てます。
- 優しく指を動かして肋骨を感じ取ります。
- 適正体重の場合、軽い圧力で肋骨に触れることができます。肋骨が全く感じられない場合、肥満の可能性が高いです。
なお、お尻は皮しかつまめないぐらいが標準です。
2. ウエストの確認
犬を上から見たときに、ウエストがくびれていない場合は肥満のサインです。また、横から見たときにお腹が引き締まっていない場合も注意が必要です。
見た目でのチェックポイント
- 上から見たシルエット: 肩から腰にかけて滑らかな曲線が見られる。
- 横から見たシルエット: お腹が胸よりも引き上がっている。
3. 体重の記録
定期的に体重を測定し、適正体重と比較しましょう。犬種や年齢、性別による適正体重の目安は獣医師に相談すると安心です。
体重測定のコツ
- 小型犬は、家庭用の体重計を使用し、飼い主が犬を抱っこして一緒に測り、自分の体重を引く方法がおすすめです。
- 中型犬や大型犬は動物病院の体重計を利用しましょう。
4. 獣医師の診断
獣医師に相談すると、愛犬の体格や体脂肪率を専門的に評価してもらえます。これにより、正確な判断が可能です。
獣医師による評価方法
- BCS(ボディコンディションスコア): 犬の体型を9段階や5段階で評価する方法。
環境省から出されている犬・猫の体型から評価する基準です。 - 体脂肪率の測定: 特殊な機器を使って脂肪量を測定する。
BCS ~上段は犬、下段は猫

次回の記事では・・・
次回の記事では、具体的なダイエット方法や健康的な食事プラン、適切な運動量について解説します。愛犬の健康を第一に考えたダイエットを始めるためのヒントをお届けします。
愛犬の健康管理に役立つ情報をぜひご覧ください!
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