初めてのお散歩|特別な対応方法

初めて犬を散歩に連れ出したとき、一歩も動かずに固まってしまう――そんな経験をする飼い主さんは少なくありません。特に、保護犬を迎えた方からこのような相談をよく受けます。実は、これは犬にとってとても自然な反応なのです。
犬にとって初めての外の世界は刺激が多すぎる
犬の嗅覚と聴覚は人間よりはるかに優れています。そのため、初めて外に出たときの情報量は膨大で、すべてを処理するのに時間がかかります。例えば、車のエンジン音、風の匂い、他の動物の気配、遠くの人の声など、犬にとっては未知の刺激があふれています。
これらの情報を整理し、安全かどうかを判断するのには時間がかかるため、「動かない」という行動につながるのです。決して散歩が嫌いなわけではなく、「今は情報を処理中」という状態だと考えましょう。
人間の感覚では「特に何もないのになぜ」と思うほど平和な環境であっても、犬には遠くからも色々なものが聞こえたり匂ったりしているという違いに気づいてください。最初の散歩で「散歩嫌い」のレッテルを貼らないように。
初めての散歩~注意点と対応方法
もし犬が立ち止まったら、無理にリードを引っ張って歩かせようとしないことが重要です。むしろ、その場でじっと待ってあげることが最善の対応策です。
対応方法:
- 犬が立ち止まったら、20分でも30分でも待つ。
- 犬が周囲の音や匂いを確認しながら、環境に慣れるのを見守る。
- 飼い主も落ち着いた態度で、優しく見守る。
こうすることで、犬は「いろいろな音や匂いがあるけれど、危険なものはない」と結論を出せるようになります。焦らずに犬のペースに合わせることが、安心して散歩できるようになる近道です。
初めての散歩を成功させるためのポイント
- 最初は静かな場所を選ぶ
交通量が多い場所や人が多い場所は避け、公園や住宅街などの落ち着いた場所を選びましょう。 - 短時間、足を進めることから始める
長時間の散歩ではなく、最初は5~10分程度の短い時間を目標にスタート。
ただし、立ち止まってしまったら、環境確認が終わるまで20~30分、待ってあげましょう。 - 信頼関係を築く
飼い主がそばにいることで安心できるよう、穏やかに接する。 - ご褒美を活用する
少しでも歩いたらおやつや優しい声かけで褒めてあげる。
わが家の体験談
わが家の場合、あられ(甲斐犬mix)はもともと野犬だったため、お散歩嫌いの心配はまったくありませんでした。逆に、散歩に前向きすぎて苦労しました💦
一方、しんのすけ(ジャックラッセルテリア)は、うちに来る9ヵ月まで一度も散歩したことも外に出たこともなかったため、最初は一歩も動かない状態でした。今は、あられと一緒に2時間でも3時間でも外を歩く姿を見て、ご近所でも「あのころがウソみたいねぇ・・」と言われます。
ただ、その頃、犬のケアに関する知識がほとんどなかった飼い主は、しんのすけを無理やり引っ張って歩かせました。ほんの100メートルくらいだったのに4本の足の肉球から血が滲んで、飼い主、深く反省するとともにドンと落ち込んだものでした。
「トラウマになって二度と散歩しないんじゃないか?」と心配しましたが、その後、あられと一緒に歩くようになり、散歩が大好きになってくれました。
教訓!無理やり歩かせるのはやめましょう・・・
・・・て、誰もしないか、そんなこと。
まとめ
初めての散歩で動かないのは、犬が情報を処理しているだけです。無理に歩かせようとせず、じっくり待つことが最も大切です。犬の気持ちを尊重しながら、少しずつ外の環境に慣れさせることで、安心して散歩できるようになります。
犬との信頼関係を深めながら、楽しい散歩時間を作っていきましょう!
この方法で、次からは普通に歩きだしたとのご報告もいただいています。是非お試しください。30分待つのは飼い主も大変なので、音楽や本を用意しましょう~。
あらしん堂は
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