【完全ガイド】伸縮リードの危険性とは?正しい理解と安全な散歩のために知っておくべきこと

はじめに|便利さの裏に潜む落とし穴
犬の散歩グッズとして人気がある「伸縮リード(フレキシリード)」。ワンタッチで長さを調整でき、犬にある程度の自由を与えながら散歩できるため、「うちの子にものびのび歩かせてあげたい」と思う飼い主さんから選ばれることが多いアイテムです。
しかし、便利さの裏には見逃せない重大な危険性が潜んでいます。伸縮リードを使うことで発生する事故やトラブルは少なくなく、動物病院やドッグトレーナーの現場からも注意喚起が行われています。
例えば――
- 車道へ飛び出した犬が事故に遭う
- 自転車や歩行者との接触でケガをさせてしまう
- ドッグランでリードが絡まり、犬同士がパニックを起こす
これらはすべて「実際に起きている事故」です。犬を思って選んだ伸縮リードが、逆に犬を危険にさらす結果になってしまっては本末転倒です。
この記事では、伸縮リードの危険性を「路上」と「ドッグラン」の2つの場面から詳しく解説し、さらに安全な散歩のために飼い主と犬ができる工夫をご紹介します。最後まで読んでいただければ、「なぜ伸縮リードは危険なのか」「代わりにどのような散歩スタイルを選ぶべきか」が明確にわかるはずです。

第1章|伸縮リードとは何か?仕組みと特徴
1-1. 伸縮リードの基本構造
伸縮リードは、プラスチック製のハンドル部分の中にリールが内蔵されており、そこからナイロンテープやワイヤー状のリードが巻き取られる仕組みになっています。
長さは数メートルから10メートル以上まで伸ばすことができ、ボタン操作で好きな位置で固定することが可能です。この構造により、犬にある程度の自由を与えつつ、飼い主はリードの長さを調整できるようになっています。
1-2. 伸縮リードの魅力と人気の理由
伸縮リードは、特に以下の理由で人気を集めています。
- 犬が自由に歩けるのでストレスが減るように感じる
- 飼い主の歩幅に合わなくても犬が先を歩ける
- 広場や公園で遊ばせる際に便利
確かに「犬にのびのびさせてあげたい」という気持ちは多くの飼い主に共通するもので、その願いを叶える道具として魅力的に映ります。
1-3. 伸縮リードの種類
市販されている伸縮リードには大きく分けて2種類があります。
- コード型(細いワイヤーのようなタイプ)
細く軽量で取り回しがしやすいですが、見えにくいため事故のリスクが高い。

- テープ型(幅広のナイロンベルト)
比較的見やすく耐久性もあるが、やはり伸縮による制御力の低下は避けられない。

いずれのタイプも、体重別に使用上限が設定されているものの、実際には「犬が急に全力疾走する力」に対応できず、トラブルを招くケースが少なくありません。
1-4. メリットよりも危険が大きい
伸縮リードは「自由度が高い」というメリットを持つ一方で、その自由度こそが制御不能のリスクを生み出します。飼い主が制御できない状況は、犬にとっても周囲の人にとっても危険です。
次章では、実際にどのような事故や危険があるのかを、路上での事例を中心に掘り下げていきます。
第2章|路上での伸縮リードの危険性
伸縮リードは「散歩中の犬に自由を与えられる」と考えて使う飼い主が多いのですが、路上での使用はとても危険です。実際、交通事故や通行人との接触など、多くのトラブルが報告されています。ここでは、路上で起こりやすい危険性を詳しく見ていきましょう。
2-1. 車や自転車との衝突リスク
伸縮リードの最大の危険は、犬が制御できないまま車道に飛び出してしまうことです。
通常の固定リードであれば、犬が少しでも道路に向かって動いた瞬間に飼い主が引き寄せることができます。しかし伸縮リードでは、犬がすでに数メートル先に移動していることが多く、咄嗟に引き戻すのはほぼ不可能です。
伸縮リードの長さの2倍×あなたのまわり360度に犬の自由があることを想像してください。
さらに、伸縮リードは細いため、ドライバーや自転車から見えにくいという問題があります。結果として、「犬はリードにつながれているから大丈夫」と飼い主が思っていても、実際にはリードが役割を果たさず重大事故につながるのです。
事例:
●犬が突然、歩道から道路に走り出し、自転車と接触して骨折。飼い主も転倒して大けが。
●リードが長く伸びていたため、車の運転手がリードに気づかず犬をはねてしまった。
これらは珍しいケースではなく、全国で頻発しています。
2-2. 通行人や他犬への接触
伸縮リードを使うと、犬は飼い主の数メートル先を自由に歩けてしまいます。その結果、突然他人に飛びついたり、他の犬に接触したりする危険が高まります。
小型犬であっても、苦手な人や犬にとっては大きなストレスや恐怖につながり、場合によっては噛みつき事故や転倒事故を招きます。
特に高齢者や小さな子どもがいる環境では、犬が不意に近づくだけで転んでしまうこともあります。「うちの子は大丈夫」という過信が事故を招く大きな要因です。
典型的なトラブル例
●散歩中、伸縮リードで自由に歩いていた犬が通行人に飛びつき、その人が転倒してケガ。
●他の犬に急に接近して噛み合いに発展。飼い主同士のトラブルにもつながる。
2-3. 飼い主の制御力低下
伸縮リードは見た目以上に飼い主の制御力を奪う道具です。
- ロックボタンを押すタイミングが遅れると、犬はすでに大きな勢いで走っている
- 犬の体重や力によっては、飼い主が引き止められない
- ハンドル部分を犬に引っ張られて落とすと、ガチャガチャと音を立てて転がり、犬がパニックになりさらに逃走する
このように、伸縮リードを持っているつもりでも、実際には「犬を制御できていない状態」になりやすいのです。
実例:
- ハンドルを落としてしまい、その音に驚いた犬が全力で逃げ出し、数百メートル先で保護された。
- 犬が急に走り出した際、飼い主が引きずられ転倒。骨折で長期入院となった。
2-4. 細いリードによる「切創事故」
伸縮リードは細いため、飼い主や通行人の手や足に巻き付くと皮膚を切り裂くような大けがを負わせることがあります。特にコード型の伸縮リードは“ナイロンワイヤー”のような性質を持ち、摩擦熱と鋭さで深い切り傷を作ってしまうのです。
この危険は犬にとっても同じです。別の犬と遊んでいる時にリードが絡まり、首や足に巻き付けば重大な事故につながります。
まとめ|路上で伸縮リードは危険が多すぎる
路上は常に人・車・自転車が動いている場所です。その中で伸縮リードを使用することは、飼い主にとっても犬にとっても制御不能な状況を生み出す危険な行為です。
散歩中に「伸縮リードが便利だから」という理由で選んでしまうと、取り返しのつかない事故につながることもあります。次章では、さらに誤解されがちな「ドッグランでの伸縮リードの危険性」について解説していきます。
第3章|ドッグランでの伸縮リードの危険性
伸縮リードは「広い場所なら安全に使えるのでは?」と思う方も多いでしょう。特にドッグランでは「ノーリード禁止」という勘違いから、伸縮リードをつけたまま犬を遊ばせる飼い主も少なくありません。
しかし、実はドッグランで伸縮リードを使うことは、路上以上に危険でマナー違反になりやすいのです。
3-1. 本来リードフリーで遊ぶ場所での混乱
ドッグランは、犬が自由に走り回れるように設計された「リードフリー専用スペース」です。そこに伸縮リードをつけた犬を入れると、次のような問題が生じます。
- 他の犬と遊んでいる最中にリードが絡まる
- 犬が全速力で走ろうとした瞬間にリードが急に止まり、首や背骨を痛める
- 飼い主がコントロールしているつもりでも、犬にとっては制限が強くストレスになる
ドッグランは「自由に走ること」が目的の場所。そこに伸縮リードを持ち込むのは、環境に合わないどころか危険を増やす結果になります。
3-2. 他の飼い主とのトラブル
伸縮リードは周囲の飼い主にとっても大きな不安要素です。
- 「絡まったらうちの犬がケガをするかも」と嫌がられる
- 犬が走ろうとしてリードに引っかかり、パニックになる
- リードが足元に絡まって人が転倒
こうしたリスクは、他の犬や飼い主に迷惑をかけるだけでなく、最悪の場合「危険行為をする飼い主」として注意を受けたり、利用禁止になるケースもあります。
ドッグランは犬同士、飼い主同士の交流の場でもあります。そこで伸縮リードを使ってトラブルを起こすと、信頼を失い、孤立してしまうこともあるのです。
3-3. 実際に起きた事故の例
ドッグランでの伸縮リード使用は、現実に以下のような事故を引き起こしています。
- リードが犬同士の首に絡み、窒息しかけた
遊んでいた2頭の犬が接触した瞬間にリードが絡まり、片方の犬が息苦しさでパニック。すぐに飼い主が外せたが、一歩間違えば命を落とす危険があった。 - 走っていた犬の足に巻き付き、骨折
犬が全速力で走っていたとき、伸縮リードが急に止まり足に強い負荷がかかり、骨折。 - 人間への切創事故
他の飼い主の足にリードが巻き付いて転倒。リードが細く鋭いため皮膚が切れ、流血する事態になった。
これらは単なる「可能性」ではなく、全国で実際に報告されている事故です。
3-4. ドッグランのルール違反
多くのドッグランでは「リードフリーで遊ばせること」が前提であり、伸縮リードの使用は禁止事項として明記されている場合もあります。禁止されていない場所であっても、他の利用者からの視線は厳しく、「マナー違反」と見なされることがほとんどです。
飼い主が「自分の犬だけ大丈夫」と思っていても、周囲にとっては危険で迷惑。ドッグランでは特に「全員が気持ちよく過ごせること」が重視されるため、伸縮リードを使うことは避けるべきです。
まとめ|ドッグランでは伸縮リードを使わないのが鉄則
ドッグランは犬にとって自由に走り回れる楽しい場所。しかし伸縮リードを使うことで、その自由さは失われるどころか、犬・人間双方にとって重大な事故を招く原因となります。
- 走行中に首や足を痛める
- 他の犬との絡みで窒息やケガ
- 人間への切創・転倒事故
- 他の飼い主とのトラブルやマナー違反
これらを考えれば、ドッグランでは伸縮リードは絶対に不要。むしろ危険を増やすだけなのです。因みに筆者は、伸縮リードを使う人がいれば、そのドッグランは即座に立ち去ります。
次の章では、伸縮リードが招く「心理的な問題」について掘り下げ、なぜ飼い主の気持ちと犬の学習に悪影響を与えるのかを解説していきます。
第4章|伸縮リードが招く心理的な問題
伸縮リードの危険性は、物理的な事故リスクだけではありません。実は「心理的な側面」においても飼い主と犬の双方に悪影響を与えます。
散歩は単なる運動ではなく、犬と飼い主の関係を深める時間でもあります。その大切な時間に伸縮リードを使うことで、しつけや信頼関係にズレが生じてしまうのです。
4-1. 飼い主の「安心感」が逆効果に
伸縮リードを使うと、飼い主は「長さを自由に調整できるから安全」と思い込みがちです。しかしこの「安心感」が逆に事故を招きます。
- 犬が走っても「リードがあるから大丈夫」と過信してしまう
- 実際には制御できておらず、危険を見落とす
- 犬が先に歩くことが常態化し、散歩の主導権を失う
飼い主が持つ「道具への安心感」が、本来の「犬を守る責任」を弱めてしまうのです。これはまさに伸縮リード特有の落とし穴といえるでしょう。
4-2. 犬の学習への悪影響
犬はとても学習能力の高い動物です。日々の散歩からも多くを学びます。伸縮リードを使うと、犬は次のように誤った学習をしてしまいます。
- 「引っ張れば行きたい方向へ進める」
→ リードが伸びることで、犬にとって「引っ張り=成功体験」になります。 - 「飼い主を意識しなくても自由に動ける」
→ 常に先を歩くことが当たり前になり、飼い主の存在感が薄れる。 - 「人より自分が主導権を握れる」
→ リーダーウォーク(飼い主と歩調を合わせる習慣)が身につかない。
このように、伸縮リードは犬のしつけを大きく妨げ、将来的に「散歩で引っ張る癖」や「指示を聞かない」行動につながりやすくなります。
4-3. 飼い主と犬の信頼関係が薄れる
散歩は本来、飼い主と犬が呼吸を合わせて歩くことで「一緒に歩く喜び」を感じられる時間です。しかし伸縮リードでは、犬は自由に前進し、飼い主は後からついていくだけの形になります。
その結果、
- 犬が飼い主を気にかけなくなる
- 飼い主も犬の小さなサイン(不安や興奮)を見逃す
- 「共に歩く」という信頼の積み重ねができなくなる
こうして築かれるのは「一緒に散歩している関係」ではなく、「ただ同じ道を歩いているだけの関係」になってしまうのです。
4-4. 飼い主自身の注意力の低下
伸縮リードは犬が自由に歩けるため、飼い主が「自分は引っ張らなくていい」と油断してスマホを見ながら散歩するケースも増えています。これは事故の大きな原因です。
- 犬が拾い食いしても気づかない
- 突然の飛び出しに対応できない
- 他犬との接触を予測できず、トラブルを招く
伸縮リードは「犬を自由にする道具」であると同時に、飼い主から注意力を奪う道具でもあるのです。
まとめ|心理的な危険は見過ごされやすい
伸縮リードは物理的な事故リスクだけでなく、
- 飼い主の安心感による過信
- 犬の誤学習(引っ張り癖・主導権意識)
- 信頼関係の希薄化
- 飼い主の注意力低下
といった心理的な問題も引き起こします。
散歩は犬にとって運動の時間であると同時に、飼い主と心を通わせる大切な時間。伸縮リードを使うことは、その大切な時間の質を下げてしまう結果になりかねません。
次章では、伸縮リードについて実際に専門家や団体が警告しているリスクをご紹介します。
第5章|専門家や団体が指摘するリスク
伸縮リードの危険性については、すでに多くの獣医師やドッグトレーナー、動物関連団体が警告を発しています。これは単なる一部の飼い主の体験談ではなく、専門家の現場からの声として蓄積されている事実です。
5-1. 獣医師の見解:実際に病院に運ばれてくる事故例
獣医師のもとには、伸縮リードが原因となったケガで犬が運び込まれることがあります。代表的なケースは次の通りです。
- 交通事故による骨折・内臓損傷
リードが長く伸びたまま犬が車道へ飛び出し、車にはねられる。即時手術が必要になるケースも多い。 - 足や首への絡まりによる外傷
他犬との接触中にリードが足に巻き付き、腱断裂や皮膚裂傷を負う。 - 飼い主の転倒による犬の巻き添え事故
犬が急に走り出して飼い主が転倒、犬も引きずられて打撲や骨折。
獣医師は口を揃えて「伸縮リードは動物病院に来る事故の典型的な原因のひとつ」と警鐘を鳴らしています。
5-2. ドッグトレーナーの意見:しつけに不向き
ドッグトレーナーの立場から見ると、伸縮リードは犬の行動管理と学習に悪影響を及ぼします。
- 「犬が引っ張れば前に進める」ことを学んでしまう
- 飼い主の声掛けやアイコンタクトを無視しても歩ける環境になる
- 結果としてリーダーウォークが成立せず、問題行動が増える
トレーナーの中には「伸縮リードは訓練・しつけの現場では一切使わない」と明言する人も少なくありません。
5-3. 海外団体の警告
伸縮リードの危険性は日本に限らず、海外でも広く議論されています。特にアメリカやヨーロッパでは、消費者団体や動物保護団体から以下のような注意喚起がされています。
- Consumer Reports(米消費者団体)
→ 「伸縮リードは犬と人双方に深刻なケガを負わせる可能性がある」とし、使用時の注意を強く呼びかけ。 - 欧州の動物団体
→ 「散歩中に制御不能になりやすく、事故につながる」として、都市部では使用を控えるよう勧告。
国を問わず共通しているのは、「便利さよりも危険が勝る」という評価です。
5-4. 日本国内での注意喚起
日本でも、動物病院や自治体の広報誌、犬のしつけスクールなどが「伸縮リードの使用は事故の原因」と明言しています。
- 自治体の生活安全課による広報で「伸縮リードによる交通事故多発」の事例が紹介される
- 動物病院の院長ブログで「伸縮リードでの通院はやめてください」と警告
- ドッグランの規約に「伸縮リード禁止」と記載される
つまり、伸縮リードは「現場で問題が起き続けているため、専門家や施設が積極的に制限している道具」なのです。
まとめ|専門家の共通意見は「使わないほうが安全」
獣医師・トレーナー・団体、いずれの視点から見ても、伸縮リードは犬と人双方に大きなリスクを与える道具とされています。
- 獣医師:実際にケガや事故で治療に至る例が多い
- トレーナー:犬の学習に悪影響、引っ張り癖を強化する
- 団体:国内外で警告が出され、施設では禁止例も多数
これらの共通した見解を踏まえると、「伸縮リードは便利だから使う」という理由は薄弱です。
次章では、伸縮リードに代わる安全で快適な散歩のためのリード選びについてご紹介します。
第6章|安全な散歩のために選ぶべきリード
伸縮リードは便利そうに見えても、事故やトラブルの危険が大きいことがわかりました。では、愛犬との散歩にはどんなリードを選べばよいのでしょうか?
ここでは、安全で快適に散歩できるリードの選び方を詳しく解説します。
6-1. 固定式リードのメリット
もっともおすすめなのは、昔からある「固定式リード」です。これは長さが一定で変わらないリードで、多くの専門家も推奨しています。
固定式リードのメリットは以下の通りです。
- 制御がしやすい
常に一定の距離を保てるため、犬が急に走り出してもすぐ引き寄せられる。 - 事故を未然に防げる
車や自転車が近づいたときに咄嗟に対応できる。 - 犬が飼い主の歩調を意識できる
飼い主のそばを歩く習慣(リーダーウォーク)が身につきやすい。 - 周囲に安心感を与える
リードが見やすいため、他の人や犬にとっても「安全に管理されている」とわかりやすい。
伸縮リードが「自由」を与える道具だとすれば、固定リードは「安心」を与える道具だと言えるでしょう。
6-2. リードの長さの目安
固定式リードといっても、長さはさまざま。散歩する環境に合わせて選ぶことが大切です。
- 都市部・歩道が狭い場所:120cm前後
→ 犬を常に自分のそばに置き、安全を確保。 - 公園や広場:150〜180cm
→ 少し余裕を持たせつつ、管理可能な範囲。 - トレーニング・呼び戻し練習:ロングリード(5〜10m)
→ 広い芝生や専用スペースで使用。路上では使わないことが原則。
「散歩の目的」と「周囲の環境」に合わせて、最適な長さのリードを使い分けることが、事故を防ぐための第一歩です。
6-3. 素材と形状の選び方
リードは素材によって耐久性や扱いやすさが異なります。
- ナイロン製
軽くて扱いやすい。初心者にもおすすめ。 - 革製
手に馴染みやすく丈夫。長く使えるが、水に弱い。 - 布製(コットン)
手触りが柔らかく、摩擦によるケガが少ない。
また、リードの「幅」も重要です。小型犬なら1cm前後、中型・大型犬なら2〜3cm幅がおすすめ。幅が広いほど飼い主の手にかかる圧力が分散され、制御がしやすくなります。
6-4. 安全性を高める工夫
固定式リードを使う場合でも、さらに安全性を高める工夫ができます。
- 夜間散歩には反射素材付きリード
→ 車や自転車から見えやすくなる。 - 持ち手にクッションや滑り止め付き
→ 急な引っ張りでも手を守れる。 - ハーネスとの併用
→ 首輪ではなく胴体に装着することで、首への負担を軽減。
このような工夫で「犬にとっても飼い主にとっても安全・快適」な散歩を実現できます。
まとめ|固定リードが一番安全で安心
伸縮リードは便利に見えて、制御不能・事故多発というリスクが大きすぎます。その代わりに、固定式リードを環境に応じて選び分けることが、安全で快適な散歩の基本です。
- 都市部:120cm前後
- 公園:150〜180cm
- トレーニング:ロングリード
そして、素材や幅、夜間用の工夫を取り入れれば、さらに安全性が高まります。
次章では、リードだけに頼らず、飼い主と犬との関係性を深めることで散歩をもっと楽しくする方法をご紹介します。
第7章|散歩がもっと楽しくなる!関係性づくりの工夫

伸縮リードに頼らなくても、犬と飼い主は心地よく散歩ができます。そのためのカギは「犬との関係性づくり」にあります。
散歩は単なる運動の時間ではなく、飼い主と犬が信頼関係を築き、共に成長する時間です。ここでは、リードを安全に使いながら散歩をもっと楽しくするための工夫をご紹介します。
7-1. リーダーウォークを意識する
リーダーウォークとは、犬が飼い主の横または少し後ろを歩き、飼い主の歩調に合わせる散歩スタイルです。これを身につけることで、犬は「飼い主と一緒に歩く安心感」を得られます。
練習のコツ
- 短いリードで犬を横につける
- 犬が飼い主を意識して歩けたらすぐに褒める
- おやつを使って「横にいるといいことがある」と学習させる
リーダーウォークができるようになると、伸縮リードのような制御不能な状況は不要になります。むしろ犬が自ら飼い主に歩調を合わせようとするようになります。
7-2. におい嗅ぎを取り入れる
散歩は「ただ歩くだけ」ではなく、犬にとっては外の世界を感じる大切な時間です。特に におい嗅ぎは犬にとって最大の情報収集手段。これを取り入れることで、犬は満足度の高い散歩を楽しめます。
- 匂い嗅ぎタイムを意識的に作る
- 飼い主が「ここなら安全」と思う場所で自由に嗅がせる
- 「ストップ」と「ゴー」のメリハリをつける
におい嗅ぎを組み込むことで、犬は心身ともに満たされ、散歩の質がぐんと高まります。
7-3. 知育トイや遊びで満足感アップ
散歩の時間は運動だけでなく、犬の脳を刺激する時間にもできます。
- 公園で「おすわり」「まて」などの基本トレーニングを行う
- ロングリードを安全な場所で使い「呼び戻しゲーム」をする
- 散歩後に知育トイや咬むおもちゃで頭と顎を使わせる
こうした工夫は「ただ歩くだけの散歩」よりも犬に満足感を与え、問題行動の予防にもつながります。
7-4. 飼い主の姿勢を意識する
散歩を快適にするためには、飼い主自身の心構えも重要です。
- 常に周囲を観察する
車や自転車、人、他犬を早めに察知し、トラブルを未然に防ぐ。 - 犬に安心を与える存在になる
飼い主が落ち着いていると、犬も安心して歩ける。 - 「犬を自由にする」のではなく「安心を与える」散歩
飼い主のそばにいることが犬にとって最も心地よい、という関係性を作ることが理想です。
7-5. 関係性を育てることで広がる未来
伸縮リードを使わなくても、犬は飼い主と一緒に歩くことが楽しいと感じられるようになります。これは日々の積み重ねによって築かれる信頼関係の証。
- 飼い主の声に自然と反応できる
- 呼び戻しができる
- 散歩中も常に飼い主を気にかける
こうした姿は「ただの散歩」ではなく、「飼い主と犬が共に過ごす豊かな時間」へと変わっていきます。
まとめ|伸縮リードに頼らなくても心地よい散歩はできる
伸縮リードがなくても、犬と飼い主の関係性を深めることで、安全で快適な散歩は十分に可能です。
- リーダーウォークで歩調を合わせる
- におい嗅ぎを取り入れて満足度を高める
- 遊びやトレーニングを組み込んで楽しくする
- 飼い主が犬に安心を与える存在になる
これらを実践することで、散歩は「義務」ではなく「お互いにとって楽しい時間」へと変わります。
次章では、これまでの内容をまとめつつ、「伸縮リードがなくても犬と人は心地よく散歩できる」という結論で締めくくります。
第8章|まとめ|伸縮リードに頼らなくても快適な散歩はできる
ここまで見てきたように、伸縮リードは一見便利に見えますが、実際には路上でもドッグランでも危険が多すぎる道具です。
- 路上では、車や自転車との衝突、通行人への接触、飼い主の制御不能といった重大事故につながるリスクがある。
- ドッグランでは、犬同士の絡まり、窒息や骨折、人間への切創事故、さらにはマナー違反によるトラブルまで引き起こす。
- 心理面でも、飼い主の過信や犬の誤学習、信頼関係の希薄化につながる。
そして、獣医師やドッグトレーナーをはじめとする専門家や動物関連団体も口を揃えて「伸縮リードは危険」と警告しています。
安全で快適な散歩に必要なのは「道具より関係性」
では、どうすれば犬も飼い主も安心して散歩を楽しめるのでしょうか?答えはシンプルです。
- 固定リードを選ぶこと
- 環境に合った長さ・素材を使い分けること
- 飼い主と犬の関係性を深めること
伸縮リードがなくても、犬は十分に心地よく散歩ができます。むしろ、飼い主と呼吸を合わせて歩くリーダーウォークや、におい嗅ぎや遊びを取り入れた散歩のほうが、犬にとっても充実した時間になります。
飼い主が犬に与えるべきものは「自由」ではなく「安心」
伸縮リードは「自由」を与えているようでいて、実際には「制御できない危険」を生んでいます。犬が本当に求めているのは、飼い主と一緒に歩く安心感。飼い主の存在そのものが安全で心地よいと感じられることです。
伸縮リードを手放すことで、むしろ犬は「飼い主と一緒にいることの安心」を感じやすくなります。これは毎日の散歩を「ただの運動」から「信頼を深める時間」へと変えてくれます。
最後に|あなたと愛犬の未来のために
もし今、伸縮リードを日常的に使っているなら、ぜひ一度見直してみてください。代わりに固定リードを選び、犬と向き合いながら歩く時間を大切にしてみましょう。
犬は必ず応えてくれます。あなたの声に耳を傾け、あなたの歩調に合わせて歩くようになります。そうして育まれるのは、道具に頼らない「絆でつながる散歩」です。
伸縮リードがなくても、犬と人は十分に心地よく散歩ができます。むしろ、道具に頼らないからこそ、あなたと犬との信頼関係はより強く、深くなるでしょう。
🐶あらしん堂からのお届け|安心できるおやつで絆をさらに深めて
伸縮リードの危険性や、安全で快適な散歩の工夫についてお伝えしてきました。最後に、私自身の想いを少しだけお話させてください。
私は現在、元保護犬の甲斐犬MIX「あられ」とジャックラッセルテリア「しんのすけ」の2頭と暮らしています。
2頭との生活を通して強く感じたのは、「安全な散歩」と「安心できる食事やおやつ」こそが、犬の心と体の健康を支えてくれる、ということでした。
しかし市販されているおやつには、保存料・着色料・人工添加物が入っているものも少なくなく、長く与えるには不安が残ります。 だからこそ私は、完全無添加・素材そのままにこだわったおやつブランド「あらしん堂」を立ち上げました。
散歩のご褒美にぴったりな「あらしん堂」のおやつ
- 🐴 馬アキレス:低アレルゲンで噛むことでストレス発散にも
- 🐟 ぱきぱき秋鮭:DHA・EPAが豊富で皮膚・被毛の健康維持に
- 🐟 ころころマグロ:小さな一口サイズで、トレーニングのご褒美に最適
散歩で犬と呼吸を合わせる練習をした後に「よくできたね」と渡す小さなご褒美。その一粒が、犬との信頼関係をさらに深めてくれます。
命をつなぐ取り組み
さらに、あらしん堂のおやつの売上の一部(10%)は、保護犬・保護猫の支援活動に寄付しています。 あなたの愛犬が幸せになることが、同時に「まだ家族を待つ子たちの命を支える力」にもなる仕組みです。
あなたの“お買い物”が、誰かの“いのち”を救う。

飼い主の愛を失った子たちに、もう一度ぬくもりを。 あらしん堂では、売上の一部を保護犬・保護猫の支援に役立てています。 「命をつなぐお買い物」に、あなたも参加しませんか?