「スマホよりも目の前の命」——レストランで見た“静かなSOS”

先日、レストランでのことです。
幼稚園児くらいの女の子が、お母さんに腕を引きづられつつ、泣き叫びながら、店に入ってきました。
その泣き方は、ただの“ぐずり”ではありません。胸の奥から、何かを訴えるような、金属的な響きをもつ張り裂けそうな声でした。
周囲は一瞬で凍りつき、私も「うるさいなぁ」「どういう躾してるのよっ」と思っていました。
けれど10分後、再びその親子が戻ってきたとき、思いもよらぬ“静かなSOS”を目の当たりにしたのです。
再び現れた二人と、静かな違和感
10分ほどして、再びその親子が戻ってきました。今度は泣いていません。けれど、まさかの隣の席。
「また泣いたらどうしよう……」と構えつつ、様子を見ていました。
お母さんは娘に穏やかに話しかけ、優しそうな人です。「ミートソースがいいの?ジュースも飲むでしょ?」メニュー選びも、お子様ランチのおもちゃ選びも、ごく普通に進行。
ところが——
オーダーを取り終えたスタッフが離れる。その次の瞬間、女の子の顔からスッと表情が消えたのです。こんな分かりやすい、人間の表情の変化を久しぶりに見ました。

画面の向こうに奪われた「まなざし」
その瞬間、何が起きたか?
お母さんがスマホを起動したのです。お母さんのスマホには、SNSのショート動画が流れ続けていました。チラッと見える画面には、よく見るあの人の動画が。つまり、急ぎの連絡というわけでもなく、ただ何となく、次々に。
お母さんのスマホには、SNSのショート動画が流れ続けていました。チラッと見える画面には、よく見るあの人の動画が。つまり、急ぎの連絡というわけでもなく、ただ何となく、次々に。

その間、女の子は無表情で、子ども椅子に座ったまま。
私は、試しに、その子に笑いかけてみました。
その子は、私をじっと見つめ返します。目を逸らさずに。
——いろんな顔をしてみても、彼女の視線はずっと私を見たまま。人が自分にリアクションしているのが珍しいのか・・・? 笑いもしないけれども、目をそらしもしません。
その間、お母さんは、私たちのコミュニケ―ションにも、視線にも、娘の沈んだ表情にも気づきません。スマホの画面に夢中になったまま。
あぁ、これか……と思いました。あの“狂気の泣きわめき方”は、
きっと、届かない心のドアを叩く音だった。
「いいお母さん」ほど気づかない落とし穴
お母さんは、決して冷たい人ではありません。私が落とした帽子を拾ってくれたときも、娘がメニューを見て選ぶのをサポートしている時も、とても優しく、感じのいい人でした。
でも、この人は、いつもこうなのだと思います。いつものことだから、あたしとお話しするよりもスマホの方が楽しそうだから、先の展開が分かっているから、文句も言わない。ただ、笑っていた顔から表情がゼロになるだけ。
私が退席する時に一発言ってやろうと思っていたのですが、
「スマホを見ているときの娘さん、すごく悲しそうですよ」と。
言えませんでした。あまりにも、彼女に自覚と悪気がなかったから。
“スマホを見ている間だけ、娘が不穏な空気になる”ことに気づいていない。
隣の人の落とし物には気づけても、我が子の心の涙には、気づけない。

ふと、自分に置き換えてみる
ふと考えました。
——自分も、同じことをしていないだろうか。
うちは犬だけど。
あられ(甲斐犬MIX)は、私に何か要求することはありません。なんでも聞いてくれるパパには毎日なにかを要求していますが(笑)
でも月に1回、2回、
パソコンに向かう私の腕に両前脚をかけて、動かなくなることがあります。
「重いからやめて」と言っても降りない。いつもの聞き分けの良さがなくなる。
あの行動、もしかしたら——
「ねぇ、見てよ。今だけでいいから。」というサインなのかもしれません。
スマホよりも、いのちの温度を感じよう
子どもも、犬も、
言葉の代わりに“表情”や“仕草”で心を伝えています。
その小さなサインを見逃さないこと。
それが、信頼を育てる第一歩なんだと思います。
私も、パソコンやスマホに夢中になる時間を減らして、あられやしんのすけと目を合わせる時間を増やそう。
そう思ったレストランでの出来事でした。

🐾 あなたの犬は、あなたのお子さんは、その時どんな顔をしていますか?
スマホを置いて、今いちどその顔を見つめてみてください。
きっと、いちばん大切な「気づき」がそこにあります。
犬たちは、いつでも“あなたを見ています”。
その視線に応えられるように、私たちも愛情をかたちに。
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