必須アミノ酸、徹底研究:犬と猫の違い
タンパク質は、私たち人間やペットの健康を維持する上で欠かせない栄養素です。その「質」を判断する上で重要なのが「必須アミノ酸」です。本記事では、必須アミノ酸について、人と犬、猫で異なる点や重要性を解説します。
また、肝臓・腎臓の病気でタンパク質を多く摂れない場合には、タンパク質の「質」に注目する必要があります。良質なタンパク質とは何を指すのか、アミノ酸スコア、動物性タンパク質の重要性についても解説します。
必須アミノ酸とは?
必須アミノ酸とは、体内で合成できず食事から摂取する必要があるアミノ酸のことです。これらは筋肉の形成や修復、免疫の向上など、体の機能維持に欠かせません。
人・犬・猫の必須アミノ酸の違い
人、犬、猫は、それぞれ必要な必須アミノ酸の種類や数に違いがあります。
●人間:9種類
ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、スレオニン、リシン、ヒスチジン
●犬:10種類
人間の9種類に加えて、アルギニンが必須となります。
●猫:11種類
人間の9種類に2種類、アルギニンとタウリンが必要です。
アルギニン、タウリンの役割
◆アルギニンの役割
尿素回路の機能をサポートし、アンモニアを解毒します。健康な代謝に欠かせず、犬も猫もこれが不足すると深刻な健康被害となります。
◆タウリンの役割
心臓や目の健康を維持する必須成分です。
不足すると猫では網膜変性や心筋症などのリスクが高まります。
アルギニンとタウリンを含む食品の例
●アルギニンを多く含む食品
鶏肉、七面鳥
牛肉、豚肉
魚(サケ、マグロ、タラなど)
卵白
乳製品(チーズなど)
ナッツ類(アーモンド、くるみ)
●タウリンを多く含む食品
魚介類(マグロ、カツオ、イワシ、サバ)
鶏肉(特にモモ肉)
牛レバー
貝類(ホタテ、ムール貝)
猫にお魚‥のイメージはここからきているんですね!
アミノ酸スコアとは?
タンパク質の「質」を数値化したものがアミノ酸スコアです。基準となる必須アミノ酸がどれだけ含まれているかを評価し、100を満たしていれば「良質なタンパク質」とされます。
●アミノ酸スコアが高い食品例
卵(スコア100)
魚
鶏肉、牛肉、豚肉
これは、以前、栄養バランスの説明した時に用いた「樽の理論」ですが、タンパク質の質を語る時にも当てはまります。
アミノ酸スコアが100の玉子は、バランスよくアミノ酸が含まれるので余すところなく使われますが、小麦粉の場合はバランスが悪いのでタンパク質としての効果は非常に低いことになります。
植物性ではNGな理由
タンパク質には動物性と植物性があります。植物性タンパク質食品は大豆をはじめ豆類が代表的で、いかにも健康的で肉よりも大豆の風潮が特にダイエットの話になると台頭してきます。
しかしながら、特に犬・猫は植物性タンパク質食品では代替できないので注意が必要です。
もともと犬や猫は肉食性の傾向が強く、植物性タンパク質では必須アミノ酸が不足していたり、消化吸収率が低くなります。植物性タンパク質では健康を維持するには不十分ですので、動物性タンパク質を選んであげてください。
まとめ
タンパク質の質を意識することは、私たち人間だけでなく、犬や猫の健康を守るためにも非常に重要です。質の高い動物性タンパク質を中心にバランスよく摂取することを心がけましょう。健康的な食事が、私たちやペットの元気な毎日を支える鍵です。