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シニア犬のフード選び:注意点と落とし穴

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前回の記事でシニア犬のためのフード選びのポイントを説明しました。今回は、シニア犬のフード選びにおける注意点と、陥りがちな落とし穴について解説します。

あなたはマーケティングにはまったりしていませんか?

マーケティングの落とし穴: ”健康的”の意味が犬と人間で違う

皆さんにも「野菜を食べることが健康」というイメージがないでしょうか。その影響を受けてか、一部のシニア犬向け総合栄養食でも、野菜や植物性たんぱく質の比率を増やした製品が見られます。

ある有名ブランドのシニア犬用フードでは、豆や芋類といった植物性原料を前面に出し、タンパク質の比率を低下させた商品が販売されています。

このような製品は、マーケティング上では「低脂肪・高繊維で健康的」とアピールされますが、実際には犬の栄養ニーズを満たさない可能性があるため注意が必要です。

犬の栄養ニーズ:タンパク質が重要、シニアは特に!

犬は肉食寄りの雑食動物であり、もともとタンパク質は健康維持に不可欠です。

近年、寝たきりになるシニア犬が増えています。シニアになると筋肉が減少しますが、タンパク質が足りないとより一層筋力低下に拍車がかかってしまいます。

寝たきりシニア犬が増えている一つの要因には、間違ったシニア健康食イメージがあるのではないかと思われます。

最近では人間でも高齢者が十分なタンパク質を摂取することの重要性が認識されつつあります。それと同様に、シニア犬にとっても肉をしっかりと摂らせることが大切です。

それも、タンパク質の質が良い「動物性」である必要があります。
タンパク質の良し悪しはこちらの記事もご参照ください。

活動量の減少とエネルギー管理

犬はシニア期に入ると活動量が徐々に減少していきます。活発なシニア犬もいますが、多くの場合は睡眠時間が増え、成犬期にくらべると運動量が減って筋力も落ちやすくなっています。

そんなシニア犬が若いころと同じカロリーを摂っているとすぐに太ってしまい、臓器や関節に負担がかかり、悪い影響が出ますので要注意です。

1日の必要エネルギー量は成犬期よりも10~15%ほど減らしましょう。

カロリーを減らすためには、脂肪を抑えた食事に切り替えることが大切です。具体的には脂質10%程度が目安になるでしょう。

その他の注意点

  1. 食欲が減退した場合の対応
    シニア犬は、加齢に伴い食欲が低下することがあります。このような場合、高品質の肉や魚を使ったフードやトッピングを試すと、驚くほど食欲が回復することがあります。

    実際に、食欲を失い元気がなくなってしまってもうダメかと思われた犬に肉そのものを与えたところ、それをきっかけに完全復活したケースもあります。香りが良く、消化が良い食材を選ぶことがポイントです。
  2. 歯や消化能力の変化
    シニア犬は歯のトラブルや消化能力の低下も起こりやすいため、硬すぎるフードや脂っこいフードは避けましょう。柔らかい食材や消化しやすい形状のフードを選ぶことで、食事への負担を減らすことができます。
  3. 体調や持病に応じたフード選び
    心臓病や腎臓病などの持病がある場合、それに特化した療法食を選ぶ必要があります。獣医師と相談しながら最適なフードを見つけましょう。
  4. 水分補給の重要性
    シニア犬は若い頃に比べて水を飲む量が減ることがありますが、水分不足は健康リスクを高めます。ウェットフードを取り入れる、フードにぬるま湯を加えるなどの工夫をしましょう。
  5. タンパク質量のバランス
    タンパク質は強化の方向で、タンパク源として良質な動物性原料が大事です。良質な肉や魚は犬の嗅覚を刺激する要素にもなり、シニア犬の食いつきに影響します。

結論

シニア犬のフード選びのポイントは次の5+1です。

  • 高タンパク     ・・・鶏肉など
  • 低カロリー     
  • 消化がよい
  • 関節サポート成分  ・・・グルコサミン、コンドロイチン
  • 添加物が少ない
    +持病に応じた対応

シニア犬のフード選びでは、マーケティング情報に惑わされず、犬本来の栄養ニーズに基づいた選択をすることが重要です。

特に、肉をしっかりと含んだ高品質なフードを選ぶことで、シニア期の健康を維持し、愛犬との時間をさらに楽しむことができます。また、寝たきりを防ぐための筋力維持と関節ケアを意識したフード選びを心がけましょう。

大切な愛犬がいつまでも元気でいられるよう、フード選びにはひと手間かけてみてはいかがでしょうか。

シニア犬にお勧めの鶏ササミおやつがあります。

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この記事の著者

三好 美佐子

野犬だった「あられ」、保護施設にいた「しんのすけ」との生活7年め。甲斐犬、ジャックラッセルテリアの養育難度の高さに必死にしつけや犬の栄養を学ぶうちに、動物の真の健康と幸せを深く探求するように・・・。金融機関での勤務歴35年、「社会貢献と幸せな消費が結びつく意義」に賛同する同僚たちに支援される形であらしん堂をはじめました!

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