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犬は塩分を摂っていい?どちらも怖い、過多と不足

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犬に塩分はまったく要らないという都市伝説もあり過度に警戒する飼い主さんもいれば、昔のように味噌汁かけごはんを食べさせる飼い主さんも。犬にとって塩分がどのような働きをするのか、適切な量はどのくらいか、そして摂取過多・不足の怖さを知っていただければと思います。

目次

  1. 犬と塩分の関係、犬にとっての塩分の重要性
  2. 犬にとっての塩分必要量
  3. 塩分不足が引き起こすリスク
  4. 塩分の摂りすぎが引き起こすリスク
  5. 犬の健康を守るため

1. 犬と塩分の関係、犬にとっての塩分の重要性

人間のように汗で塩分を排出することができず、人間ほど排出ができません。とはいえ、犬の健康を維持するうえで、塩分(ナトリウム)は必要なものでもあります。塩分は、体内の水分バランスを保ち、神経や筋肉の機能を正常に働かせる役割をします。しかし、摂りすぎたり不足したりすると、犬の身体に色々と問題が発生する可能性があります。

2. 犬にとっての塩分必要量

東京大学大学院の林良博教授のレポートによると、アメリカ科学アカデミーは以下のように発表しています。
 「成犬で、体重1㎏あたりの塩分要求量は0.242g(子犬は0.484g)」

これをもとに単純計算すると次のようになります。
・体重2kg →0.484g
・体重5kg →1.210g
・体重10kg  →2.420g
・体重15kg  →3.630g
・体重20kg  →4.840g ・・・


人間の場合、日本人男性で1日に10g以上、女性でも9g以上の塩分を摂っているそうです。厚生労働省の基準でも摂りすぎ、WHO世界保健機関の基準の2倍近くになっています。近年は加工食品が多く、人間用の食べ物は塩分が多いので犬に食べさせないことはもちろんのこと、飼い主さんも気をつけましょう。

3. 塩分不足が引き起こすリスク

まず、塩分が不足するとどうなるのでしょうか。犬が塩分を十分に摂れていないと、ナトリウム欠乏症を起こす可能性があります。ナトリウム欠乏症の主な症状は以下のようなものです。

  • 無気力、疲れやすい
  • 筋肉が痙攣する
  • 食欲がなくなる
  • 血圧が低下する
  • 脱水症状

塩分不足が続くと、犬の身体は正常な機能を維持できません。

塩分不足を防ぐ方法

  • 犬用フードに含まれるナトリウム量を確認する
    総合栄養食(カリカリなど犬用ごはん)には、通常は必要量がしっかり入っているものです。体重や年齢に応じて、正しい量を食べていれば普通は十分です。
    特に、手作り食を与えている場合は、塩分の与えすぎを気にするあまり、逆に不足しないよう注意してください。
  • 運動量や気候に応じた適切な水分と栄養補給を行う
    アジリティやフリスビーなどに熱中して激しく運動した場合は、不足しがちです。不足すると、土や他の犬のオシッコの跡、人間の手などを舐める傾向がありますので、注意してみてあげてください。

運動量が恒常的に多い場合や特別な健康状態の場合は獣医師さんに相談して、適切な量を調整してください。
  

4. 塩分の摂りすぎが引き起こすリスク

逆に犬が塩分を過剰に摂取すると、ナトリウム中毒になる可能性が高まります。ナトリウム中毒の症状としては以下のようなものがあります。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 脱水症状
  • けいれん
  • 体温が上昇する
  • 重篤な場合、昏睡や死亡

ナトリウム中毒を避けるための注意点

  • 人間用の食事、スナックなどを与えない
  • 塩分の多い加工食品を避ける
  • 水分補給を十分に行う

5. 犬の健康を守るために

  • 定期的な健康診断
    塩分の摂りすぎや不足を防ぐためには、定期的な健康診断で、健康状態を把握することが重要です。血液検査の赤血球数で脱水症状が判明したりします。
  • 犬専用の食事
    犬用の総合栄養食は、塩分量も含めた栄養のバランスをプロが計算して作っています。手作り食で栄養のバランスを摂るには相当しっかり学習してからでないと非常に難しいと思います。一つの栄養素が不足すると、それに連れてすべての栄養素が不足することにもなりかねません。

    また、総合栄養食に含まれる塩分を考慮し、犬用のおやつには通常は塩による味付けはされておらず、塩分が入っていても微量に抑えられています。安全に栄養を摂取するためには、犬専用のフードを与えることが基本です。人間用は犬には塩分過多になりがちなので犬に与えないでください。
  • 水分補給を忘れずに:塩分バランスを保つためには、十分な水分補給が必要です。通常、犬は自身で必要な分の水を飲みますが、特に暑い季節や運動後にはいつでも十分な水が飲めるように配慮しましょう。

まとめ

犬にとって塩分は必要な栄養素ですが、過多も不足も健康に良くありません。犬の健康のため、適切な塩分摂取量をしっかり理解し、バランスの取れた食事、犬用に作られたフードをあげることが大切です。

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この記事の著者

三好 美佐子

野犬だった「あられ」、保護施設にいた「しんのすけ」との生活7年め。甲斐犬、ジャックラッセルテリアの養育難度の高さに必死に躾や犬の栄養を学ぶうちに、動物の真の健康と幸せを深く探求するようになる。金融機関での勤務歴35年、「社会貢献と幸せな消費が結びつく意義」に賛同する同僚たちに支援される形で起業した。

“犬は塩分を摂っていい?どちらも怖い、過多と不足” への1件のコメント

  1. […] 以前の記事で塩分の適切量を確認しましたが、糖分はどうでしょう。犬は甘いものも好きです。食べると幸せな顔を見せてくれる糖分なだけに、飼い主もついつい・・・ ちょっと待っ […]

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