犬に糖分は必要?【保存版】肥満・糖尿病・膵炎を防ぐ!安全なおやつと与え方を徹底解説 | あらしん堂

BLOG & INFO

犬の食べ物・栄養のノウハウ

犬に糖分は必要?【保存版】肥満・糖尿病・膵炎を防ぐ!安全なおやつと与え方を徹底解説

#犬 おやつ#犬 甘いもの#犬 糖分#犬 糖分 だめ#犬 糖分 食べていい

以前の記事で塩分の適切量を確認しましたが、糖分はどうでしょう。犬は甘いものも好きです。食べると幸せな顔を見せてくれる糖分なだけに、飼い主もついつい・・・ ちょっと待って。犬にとって糖分とはどういう存在なのか、しっかり知識を入れていきましょう。

目次

第1章|糖分とは何か?犬にとっての位置づけ

1-1. 栄養学的な「糖分」とは

一般的に「糖分=甘いもの」と思われがちですが、栄養学では「糖質」として分類されます。

ショ糖(砂糖)
果糖(フルーツ)
ブドウ糖(米や芋のデンプンから分解)

これら糖質は小腸で分解・吸収され、体のエネルギー源となります。

1-2. 人間と犬の消化の違い

人間は口の中から唾液アミラーゼで糖質の分解が始まります。一方、犬にはこの酵素がなく、小腸に入ってから初めて糖質を分解します。つまり、 犬は糖分の処理が人間より不得意 なのです。

1-3. 野生時代の犬の食事

オオカミを祖先に持つ犬の食生活は、獲物の肉や内臓中心。糖分をほとんど摂取していませんでした。犬の体は糖分を必須栄養素としていないといえます。

第2章|犬にとって糖分は必要か?

2-1. 基本的には不要

犬はタンパク質や脂肪を主なエネルギー源にしています。糖分をまったく利用できないわけではありませんが、生命維持や成長において必須ではない栄養素 です。

実際、自然な食事環境で犬は動物の筋肉や内臓を食べており、糖分はほとんど含まれない食生活を送ってきました。

2-2. 例外的に役立つ場面

●激しい運動後の一時的なエネルギー補給
●低血糖症を起こした場合の緊急処置

ただし、これらは獣医師の指導が必要な「特例」です。日常的に甘いものを与える理由にはなりません。

第3章|犬に糖分が不要である5つの理由

1.糖新生能力が高い

犬はタンパク質や脂肪からブドウ糖を作り出せるため、外部から糖を摂らなくても生きることができます。

2.野生の食生活に糖分が存在しなかった

オオカミ時代に糖分はほとんど摂取しておらず、体の仕組みが糖分に依存しないよう進化しています。

3.脳も糖以外で動かせる

人間は脳のエネルギーにブドウ糖が必須ですが、犬は脂肪を分解してできるケトン体を利用できます。

4.糖分摂取はリスクが大きい

肥満、糖尿病、膵炎、歯周病など、与えるメリットよりも健康リスクの方が明らかに多くなります。

5.代替のご褒美が豊富

甘みを与えなくても、無添加のお肉系おやつや果物の少量提供で十分に満足感を与えられます。

第4章|犬が糖分を摂りすぎたときのリスク

糖分の摂りすぎは、犬にとって多くの健康リスクを伴います。

4-1. 肥満のリスク

糖分はカロリー密度が高く、犬にとっては消費しきれない「余分なエネルギー」になりがちです。肥満は単に見た目の問題ではなく、関節への負担、心臓病、呼吸器疾患、皮膚病 などを引き起こします。特に小型犬は体重の増減が顕著に現れるため注意が必要です。

4-2. 糖尿病のリスク

糖質を過剰に与え続けると、インスリンの働きが乱れ、糖尿病を発症しやすくなります。犬の糖尿病は進行が早く、白内障、腎不全、肝臓疾患 など多臓器に影響を与えます。発症後の管理は生涯インスリン注射が必要となり、犬と飼い主双方に大きな負担を強います。

4-3. 口腔内トラブル

糖分は歯垢を増やし、歯周病を悪化させます。犬の歯周病は顎骨の吸収や鼻腔への炎症波及といった深刻な状態に進行することもあります。治療には全身麻酔が必要な場合が多く、高齢犬や基礎疾患のある犬にはリスクが大きいです。

4-4. 膵臓への負担

膵臓は糖分の処理に関わる臓器ですが、犬はその機能が人間ほど強くありません。糖分の過剰摂取は膵炎の引き金となり、急性膵炎の場合は激しい嘔吐、下痢、腹痛を伴い、命に関わることもあります。

第5章|犬に与えてはいけない甘い食べ物

犬に高糖質な食品(人間のお菓子、チョコレート、ケーキ、クッキーなど)を与えることは避けるべきです。特にチョコレートは犬にとって高い毒性があり、命に関わりますので、絶対に食べさせてはいけません。

5-1. チョコレート

含まれる「テオブロミン」が犬にとって致命的な中毒物質です。摂取後数時間で嘔吐、震え、不整脈、痙攣を起こし、最悪の場合は死に至ります。

5-2. ケーキ・クッキー・パン類

砂糖・小麦粉・油脂が組み合わされた高カロリー食品。糖分だけでなく脂質過多も健康を害します。

5-3. アイスクリーム・乳製品

多くの犬は乳糖不耐症であり、下痢や消化不良を引き起こします。加えて糖分と脂肪分が高いため避けるべきです。

5-4. キシリトール

最も注意すべき人工甘味料。わずか数グラムで急激な低血糖、肝不全を招くことがあります。誤食事故が非常に多いため、人間用ガム・キャンディの管理には最大限の注意を払いましょう。

人間用お菓子や甘い加工食品には広くキシリトールが使われます。キシリトールは犬にとって非常に危険なものです。犬の体内で急激にインスリンを分泌させ、低血糖を引き起こし、嘔吐や発作、昏睡など深刻な事態を引き起こします。

糖分の摂りすぎ対策として人間用お菓子を食べさせることは避けるべきですが、キシリトールのリスクも怖いので人間用のガムやお菓子を犬が間違って食べないように十分注意してください。

第6章|安全に楽しめる糖分(自然食材)

もし糖分を与えるのであれば、果物から少量与えるのが安全です。例えば、ブルーベリーやリンゴなどです。(ブドウやレーズンは犬にとって毒性があるため絶対に食べさせてはいけません。)

6-1. 与えても良い果物(適量で)

●りんご:皮をむき、種を取ればビタミン補給に最適。
●ブルーベリー:抗酸化作用が期待され、シニア犬にもおすすめ。
●いちご:水分が多く、ビタミンC補給に。
●バナナ:糖質は高めなので少量を目安に。

6-2. 与えてはいけない果物

■ぶどう・レーズン:腎不全を引き起こす危険あり。
■柑橘類の皮や種:精油や苦味成分が中毒症状を招く。

第7章|犬に甘いおやつをあげたいときの工夫

7-1. 無添加・砂糖不使用のおやつを選ぶ

あらしん堂では、犬の健康を第一に考えた無添加おやつを提供しています。糖分でなくても、わんこ大喜びの嗜好性の高い逸品は・・・

ころころチーズ:小さいキューブで、トレーニングにも最適です。

もぐもぐ豚耳:コラーゲンたっぷりで嗜好性抜群です。

7-2. 「甘みの代替」としての果物活用

特別なご褒美には果物を少量与えるのも一案。ただし「毎日」ではなく「イベント時に少し」が鉄則です。

第8章|ケーススタディ:実際のトラブル例

●誕生日ケーキを与えて膵炎に

飼い主が人間用ケーキを与えた結果、翌日に嘔吐・下痢が止まらず入院。

●チョコを拾い食いして中毒に

散歩中に落ちていたチョコレートを食べてしまい、数時間後に痙攣。緊急治療で一命を取りとめた。

●日常的にパンやクッキーを与え肥満・糖尿病に

可愛いからと与え続けた結果、体重が1.5倍に。最終的に糖尿病を発症し、生涯インスリン注射が必要になった。

第9章|犬と糖分に関するQ&A(文章版)

Q:犬用ケーキは与えてもよいのか?

犬専用に作られた砂糖不使用・低脂肪のケーキであれば、特別なイベントのときに少量与えるのは問題ありません。ただし、日常的に与える習慣にしてはいけません。

Q:果物を毎日与えてよいのか?

果物は栄養素が豊富ですが、糖分も含まれています。毎日大量に与えるとカロリー過多になり、肥満や糖尿病のリスクを高めます。あくまで「時々」「ご褒美として少量」が適切です。

Q:糖尿病の犬に甘味料は与えてよいのか?

糖尿病を患っている犬に対しては、獣医師の指導がない限り甘味料を与えるべきではありません。人工甘味料は犬にとって危険なものが多く、管理は専門家の指示に従うべきです。

Q:「糖分ゼロ」と表示された食品は安全か?

糖分ゼロ食品には人工甘味料が使われていることが多く、その中には犬にとって有害な成分も含まれます。人間用の糖分ゼロ食品を犬に与えるのは避けましょう。

Q:甘党の飼い主と暮らす犬は危険か?

飼い主が甘いものをよく食べる家庭では、犬の誤食事故が起きやすくなります。ゴミ箱をフタ付きにする、食卓に食べ物を放置しないなど、環境管理を徹底する必要があります。

Q:糖分を与えないと犬が可哀想ではないか?

犬は糖分をもらうことよりも、飼い主と一緒に遊ぶ、褒められることに大きな喜びを感じます。甘いおやつを与えなくても、十分に幸せを感じる動物です。

第10章|人間との生活で糖分をどう管理するか

犬に糖分を与えないことの重要性を理解しても、実際の生活の中では誤食や「つい与えてしまう」リスクが潜んでいます。ここでは、人間と一緒に暮らす中で糖分をどう管理すべきかを考えます。

10-1. 家庭内での誤食防止

犬にとって一番多い事故は「ゴミ箱漁り」です。捨てられたケーキの包み紙やチョコの袋には、まだ甘い匂いが残っています。犬は嗅覚が鋭いため、人間が気づかないほどの匂いでも引き寄せられてしまいます。そのため、ゴミ箱は必ずフタ付きのものを選び、犬が倒せない場所に置くこと が鉄則です。

また、テーブルにお菓子を置きっぱなしにするのも危険です。特に小型犬はジャンプ力が高く、椅子を足場にしてテーブルに上がってしまうこともあります。食べ終わったら片付ける習慣を家族全員で徹底しましょう。

10-2. 子どもとの関係

小さな子どもは犬にお菓子を分け与えてしまうことがよくあります。「美味しいから一緒に食べよう」と思う気持ちは自然ですが、犬にとっては健康被害の原因となります。

子どもがいる家庭では「犬にはお菓子をあげてはいけない」というルールを教育することが大切です。さらに、犬専用のおやつを子どもに渡し「犬にあげるならこれだよ」と教えると、事故を防ぎながら子どもと犬の関係も良好に築けます。

10-3. 散歩中の拾い食い防止

公園や道路には、人間が落とした飴やチョコレート、ガムが落ちていることがあります。犬は甘い匂いに誘われ、あっという間に口に入れてしまいます。

散歩中はリードを短めに持ち、犬が地面に顔をつけて匂いを嗅ぎ続けている場合は注意しましょう。「ダメ」「アウト」などのコマンドを教えること も大切です。

こうした管理を徹底することで、犬が糖分を誤って口にするリスクを大幅に減らすことができます。

第11章|犬における糖分研究の最新動向

糖分が犬に与える影響について、近年は世界的に研究が進んでいます。ここでは最新の知見を紹介します。

11-1. 海外での研究

アメリカの獣医学会では、犬の肥満率が40%を超えるとの報告があり、その背景には人間の食べ物を与える習慣があると指摘されています。特に砂糖や脂肪を多く含む食品を摂取した犬では、数週間で血糖値の変動が激しくなり、インスリン抵抗性が進む ことが確認されました。

また、イギリスの研究では「犬の寿命と食習慣」に関する調査が行われ、甘いものを与えられている犬は与えられていない犬よりも平均寿命が短いという結果が示されています。

11-2. 日本国内の臨床報告

日本の動物病院でも、糖尿病や膵炎で通院する犬が増えています。特に小型犬や高齢犬は糖分の処理能力が低く、「人間の食卓からの分け与え」が原因で病気になったケースが多いと報告されています。

11-3. 人工甘味料に関する研究

人間社会で増えている「糖質ゼロ食品」には人工甘味料が含まれていることが多く、犬にとっては非常に危険です。キシリトールは特に有名ですが、エリスリトールやステビアなどの安全性についてもまだ十分に解明されていません

実験段階では「犬の体に負担が出る可能性が否定できない」とされており、人工甘味料を犬に与えるのは避けるべき だといえます。

第12章|糖分を正しく管理するための飼い主チェックリスト

糖分の危険性を理解したつもりでも、生活の中でうっかりミスは起こります。以下のチェックリストを定期的に見直すことで、愛犬の健康を守ることができます。

☑人間用のお菓子を与えていないか?
→ 「一口くらいなら」と思った経験がある人は要注意。それが習慣化すると病気の原因になります。

☑果物を毎日与えていないか?
→ 栄養豊富でも糖分は糖分。与えるなら特別な日のご褒美程度に。

☑キシリトール入り食品を犬が届く場所に置いていないか?
→ ガムやキャンディをバッグに入れっぱなしにしていませんか?犬が漁って食べる事故が非常に多いです。

☑ゴミ箱や食卓を管理しているか?
→ フタなしのゴミ箱や、食べ残しを放置した食卓は誤食の温床です。

与えるおやつは無添加中心か?
→ 「犬用」と書いてあっても砂糖や添加物が含まれていることがあります。成分表示を必ず確認しましょう。

この5項目を定期的に見直せば、糖分によるトラブルの多くは防ぐことができます。

まとめ|犬にとって糖分は“嗜好品”にすぎない

犬にとって糖分は基本的に不要なものですので、摂取量には慎重を期してください。適度な糖分は一時的なエネルギー供給には役立つものの、過剰摂取は深刻な疾患を引き起こすリスクがあります。犬の健康を守るためには、自然な食材を中心にバランスの取れた食事を与え、糖分や人工甘味料の取り扱いには十分に注意してください。

物など自然由来の甘みを少量与えることで、犬に喜びを感じさせることは可能です。大切なのは「日常的に与えない」「与えるなら安全なものを少量」というルールを守ること。

犬にとって最大のご褒美は糖分ではなく、飼い主と過ごす時間そのものです。正しい知識を持ち、愛犬の健康と笑顔を守りましょう。


愛のかけらプロジェクト

か弱い命、大切な命を助けてください。あらしん堂のおやつで、保護犬・猫救済に参加できます。

あなたの“お買い物”が、誰かの“いのち”を救う。

飼い主の愛を失った子たちに、もう一度ぬくもりを。 あらしん堂では、売上の一部を保護犬・保護猫の支援に役立てています。 「命をつなぐお買い物」に、あなたも参加しませんか?

この記事の著者

三好 美佐子

野犬だった「あられ」、保護施設にいた「しんのすけ」との生活7年め。甲斐犬、ジャックラッセルテリアの養育難度の高さに必死にしつけや犬の栄養を学ぶうちに、動物の真の健康と幸せを深く探求するように・・・。金融機関での勤務歴35年、「社会貢献と幸せな消費が結びつく意義」に賛同する同僚たちに支援される形であらしん堂をはじめました!

コメントは受け付けていません。

関連記事

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2024 合同会社あらしん堂 All rights Reserved.

CLOSE