犬の擬人化がもたらす影響とは?~愛情表現の落とし穴~ | あらしん堂

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犬の擬人化がもたらす影響とは?~愛情表現の落とし穴~

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犬の行動の意味を分かろうとするときに、飼い主はどうしても人間の行動と照らし合わせて推測してしまいます。つまり、脳内で犬を擬人化してしまうのです。

犬の行動を「人間らしい」と解釈することで、愛情を深めたり、癒されたりするのはよくあることで、良い面もあります。しかし、それが犬本来の行動や本能を無視したものになると、逆に犬の幸せを損なう可能性があります。本記事では、犬の擬人化について考え、適切な愛情の伝え方を探ります。

「犬の行動」に隠された本当の意味

あるSNS投稿で「うちの犬が友達の犬に首をクロスしていたのを微笑ましいと思っていたが、実は支配の意味があると知ってショックを受けた」という話が載っていました。

この例は、人間が犬同士を「仲良し」と思い込んでいた結果であり、犬の生態や行動の本来の意味を知らなかったことに原因があります。

犬の世界では、首をクロスする行為は、首を上に乗せる側の犬の「優位性」を示す行動、マウンティングとされています。犬同士の関係性や順位を示す一種のコミュニケーションです。擬人化された視点では愛情表現に見える行動も、実際には異なる意味を持つ場合があります

擬人化が引き起こす誤解

犬を擬人化することで、飼い主が抱きがちな誤解の例を挙げてみましょう。

  • おねだりの仕草
    犬が可愛い顔でおやつをねだる時、人間は「ちょうだい❤」と言っているように感じます。だから、気持ちが負けてどんどんおやつをあげてしまうことになりかねません。皆さんも思い当たるのではないでしょうか。

    しかし犬にとっては、本能的な「食べ物が欲しい」というサインにすぎません。それに継続的に応えていると、そのうち犬のなかでは「おやつをよこしなさい」という命令に変わってきます。さらにあげ続ければ、飼い主との主従が変わってしまい、飼い主の言うことをきかなくなります。

可愛い外見からの擬人化解釈をしていると、犬の健康管理や適切なしつけに悪影響を与える場合があります。

  • 友達と仲良く遊ぶ犬
    犬が他の犬と遊ぶ姿を見て「友情」を感じるのは飼い主の感覚ですが、犬同士の関係性は人間とは異なるルールで成り立っています。無理に「仲良くさせよう」とすることは、犬にストレスを与える可能性があります。
  • 服を着て喜ぶ
    犬に服を着せると「喜んでいる」と思えることがあります。しかし、服が可愛い、自分が可愛くなって犬も嬉しいと感じることはなく、あるとすれば、服を着た時に飼い主が「可愛い!」と言って喜ぶのを見て嬉しくなることはあります。

    そのことは、飼い主のために我慢してでも服を着ることにつながります。

    それを理解すると、犬に服を着せた時に犬が喜んでいるように見えても、飼い主は犬が快適なのかどうか、気温や体温の上がりすぎなどに注意しなければならないことに気づくでしょう。

ペットロスを防ぐために、犬らしさを尊重する

犬を擬人化することは、愛情の表現だけでなくペットロスのリスクを高める一因ともなり得ます。人間のような「家族」として深く結びつくことで、別れの際に深い悲しみを感じるのは当然のことです。

しかし、犬は犬として幸せに生き、その寿命を全うすることが最も大切です。

例えば、犬の寿命が10年~20年程度であることを前提に、以下のような姿勢を持つことが望ましいでしょう。

  1. 犬が寿命をまっとうすることを良いことと考える
    その犬種の寿命とされている年齢を超えれば、人間に照らし合わせても相当のお年寄りです。自由に動けなくもなるし、あちらこちらも不具合になってきます。

    そうなるまでの期間、その子が飼い主のもとで危険なこともなく、安全に寿命をまっとう(生命を閉じることが)できることは本当にその子にとって良いことです。
  2. 最期を穏やかに見守る
    犬は、今と少しの未来、そして一緒に生活を共にしている群れ(家族)の平和を考える動物です。自分亡き後の家族の先行きは心配するものと言われています。その観点から、最期の時に飼い主が深く悲しんでいることは犬の心配につながります。

    だから、愛犬が安心して寿命をまっとうできるように、穏やかに見守ってあげてください。

    また、同じ観点からは、若い同居犬、後を任せられる存在がいると、安心できるともいわれています。ペットロスに陥って愛犬に心配をかけそうな飼い主は、是非、多頭飼いをご検討ください。

犬を愛するからこそ、正しい理解を

擬人化することは、飼い主の愛情の深さを示す一方で、犬の本質を見失わせる危険性もあります。犬は犬として、その生態や本能を尊重しながら接することが大切です。正しい知識を持ち、犬の幸せを第一に考えることで、飼い主も愛犬もより良い関係を築くことができるでしょう。

このブログを通じて、より多くの方に犬の本質的な幸せを考えてもらえることを願っています。

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この記事の著者

三好 美佐子

野犬だった「あられ」、保護施設にいた「しんのすけ」との生活7年め。甲斐犬、ジャックラッセルテリアの養育難度の高さに必死にしつけや犬の栄養を学ぶうちに、動物の真の健康と幸せを深く探求するように・・・。金融機関での勤務歴35年、「社会貢献と幸せな消費が結びつく意義」に賛同する同僚たちに支援される形であらしん堂をはじめました!

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