犬が家具を壊す理由|破壊行動をやめさせる本当の方法【ジャックラッセル飼い主の実体験】 | あらしん堂

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犬が家具を壊す理由|破壊行動をやめさせる本当の方法【ジャックラッセル飼い主の実体験】

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目次

第1章|「またやられた…」破壊行動に悩む飼い主は多い

「またやられた……。」
帰宅してリビングに行くと、そこには今朝まではなかった光景が広がっている。

ソファの角はボロボロ。
クッションの中身が部屋中に舞い散り、リモコンは無残な姿。
床には木くずのようなものが散らばっている。

一瞬、状況が理解できない。

そして数秒後に気づく。

「……やられた。」

犬と暮らしている人なら、一度は経験したことがあるかもしれません。

家具やクッション、スリッパ、コード、リモコン。
ときには壁紙や柱まで。

愛犬が家の中のものを破壊してしまう問題は、多くの飼い主を悩ませる行動のひとつです。SNSで犬のコミュニティを見ていると、同じ悩みを抱えている人が本当に多いことに驚きます。

特に、わが家のしんのすけと同じ ジャックラッセルテリア の飼い主さんたちの投稿を見ると、まさに「破壊武勇伝」の宝庫です。

「ソファ買って3日で終了しました」
「壁を掘られました」
「年間で家具10万円分くらい壊されてます…」

笑い話のように書かれていることもありますが、実際のところはなかなか笑えません。家具を買い替える費用はもちろん、場合によっては犬の安全にも関わるからです。

たとえば、

・電気コードを噛む
・プラスチック片を飲み込む
・家具の木片を誤飲する

こういったことが起きれば、命に関わる事故につながる可能性もあります。

そのため、多くの飼い主さんが「何とかしてこの行動を止めたい」と思い、さまざまな方法を試します。例えば、よく聞くのが次のような対策です。

・家具に ビターアップル(苦味スプレー) をかける
・「NO!」と叱ってやめさせる
・噛み防止グッズを使う
・おもちゃを大量に与える

もちろん、これらが一時的に効果を発揮することもあります。しかし実際には、「最初は効いたけど、また別のものを壊すようになった」という声もとても多いのです。

なぜでしょうか。

それは、犬の破壊行動が 単なる「いたずら」ではないから です。

犬は、人間のように「困らせてやろう」と思って物を壊しているわけではありません。そこには必ず理由があります。むしろ多くの場合、犬にとっては「とても合理的な行動」なのです。

例えば、

・エネルギーが余っている
・退屈している
・ストレスを感じている
・不安を紛らわせたい
・歯がむず痒い

こうした理由があるとき、犬は本能的に「噛む」という行動を選びます。そして、家の中で一番手近にあるもの――それが家具やクッションだった、というだけなのです。

つまり、破壊行動は「問題行動」ではなく「原因のある行動」といえます。

この視点を持つことが、とても大切です。

もし原因を理解せずに「ダメ!」と叱るだけでは、犬は何が悪いのか分からないままストレスだけが増えてしまいます。そして結果として、問題が続いてしまうことも。

・別のものを壊す
・隠れて壊す
・飼い主がいないときに壊す

実は、わが家でもこの「破壊問題」を経験しています。

甲斐犬MIXの あられ が家に来たばかりのころ。
そして、ジャックラッセルテリアの しんのすけ を迎えたとき。

どちらの犬も、それぞれの形で「破壊」という行動を見せました。

特にあられの最初の頃は、「どうすればやめさせられるんだろう」と、かなり悩んだ記憶があります。コングを買い、苦味スプレーを使い、叱り方を調べ、おもちゃを増やし……いろいろ試しました。

しかし、いろいろ経験して分かったことがあります。それは、破壊行動は、叱って止まるものではないこと。むしろ大切なのは、これ。

・犬が破壊したくなる理由を理解すること
・その原因を取り除くこと
・犬が満足できる生活を作ること

そして、その生活を整えることができたとき。あれだけ続いていた破壊行動は、まるで嘘のように止まりました。家具を壊す犬が、突然「いい子」になったわけではありません。

ただ、壊す必要がなくなっただけなのです。

では、犬が家具を壊してしまう本当の理由とは何なのでしょうか。そして、どうすればその行動を根本から改善できるのでしょうか。

次の章では、犬が家具を破壊してしまう主な原因について、もう少し詳しく見ていきます。原因が分かれば、対策はぐっとシンプルになります。

第2章|犬が家具を破壊する本当の理由

犬が家具を壊すと、ついこう思ってしまいがちです。

「この子はいたずら好きなんだ」
「性格がやんちゃだから仕方ない」
「しつけが足りないのかな」

しかし実際には、犬の破壊行動のほとんどには もっとはっきりした理由があります。むしろ、理由がない破壊はほとんどありません。多くの場合、次のような要因が関係しています。

① 運動不足

犬の破壊行動の最大の原因は、これです。運動不足。

特にエネルギーの多い犬種の場合、この影響は非常に大きいものになります。犬はもともと、人間と一緒に仕事をする動物として長い歴史を持っています。

狩猟、牧羊、警戒、追跡、穴掘りなど、犬もそれぞれの役割を持って人間と暮らしてきました。つまり、多くの犬種は「働くこと」「動くこと」を前提としてできているのです。

そのため、エネルギーが発散できない状態が続くと、犬は自分で解消方法を探します。その結果として起きるのが、家具やクッションの破壊です。

噛む、引きちぎる、掘る、振り回す —こうした行動は、犬にとって自然なストレス発散でもあります。つまり、犬からすれば「問題行動」ではなく、

エネルギーを発散しているだけなのです。

●小型犬でも運動量が多い犬種

ここで、ひとつ大きな誤解があります。それは、小型犬=運動量が少ないというメージです。実際には、小型犬でも運動量が多い犬種はたくさんいます。特に次のような犬種は、見た目よりもかなり運動量が必要です。

・ジャックラッセルテリアほか、テリア系犬種
・ビーグル
・ミニチュアシュナウザー
・イタリアングレーハウンド
・ミニチュアダックスフンド
・ミニチュアピンシャー

これらの犬種の多くは、もともと狩猟犬や作業犬として作られた歴史があります。例えばジャックラッセルテリアは、キツネ狩りのために作られた犬です。キツネを走って追いかけ、巣穴に潜り込み、時には堀り、キツネを咬んだり追い出したり。

このエネルギーを十分に発散できないと、どうなるか。
家の中のものが、その対象になってしまうのです。

「散歩30分」では足りないことも

犬の散歩時間については、よく「1日30分くらい」という話を聞きます。しかしこれは、すべての犬に当てはまるわけではありません。

特にテリア系や狩猟犬タイプの場合、30分ではエネルギーがほとんど消費されないことも珍しくありません。むしろ、散歩が終わったあとに「まだまだ遊びたい!」とテンションが上がる犬も多いでしょう。

そして、そのエネルギーの出口がないとき、犬は自分で「遊び」を作ります。それが、クッション破壊、家具の脚を噛む、スリッパを振り回すといった行動につながるのです。

② 退屈と刺激不足

もうひとつ大きな原因が、退屈です。

犬はとても知的な動物です。そして、想像以上に「暇」が苦手です。人間でも、やることがない時間が長く続くと落ち着かなくなりますよね。犬も同じです。

特に若い犬の場合、エネルギーだけでなく好奇心も強いため、「何か面白いことはないかな」と家の中を探索し始めます。

そのとき、柔らかいクッション、木製家具、スリッパ、ティッシュなどが目に入ると、「これ、噛めるかも」と試してみるのです。

そして一度でも、楽しかった、ストレスが発散できた経験をすると、その行動は繰り返されやすくなります。破壊が遊びとして成立してしまうのです。

犬にとっては、クッションを引き裂く→ 中身が出る→ さらに面白い。かなり魅力的な遊びになってしまいます。飼い主からすると大惨事ですが、犬にとっては「最高のエンターテインメント」だったりするわけです。

③ 分離不安

犬が留守番中に家具を壊す場合、分離不安が関係していることもあります。

犬は社会的な動物なので、本来は群れで生活します。そのため、飼い主と離れることに強い不安を感じる犬もいます。不安が強くなると、ドアを掘る、家具を噛む、クッションを壊すといった行動が出ることがあります。

これはいたずらではなく、不安を紛らわせるための行動です。

④ 歯の生え変わり(子犬期)

子犬の場合、破壊行動の理由はもっとシンプルです。

歯がかゆい。

犬は生後3〜7ヶ月ごろに乳歯から永久歯に生え変わります。この時期は歯茎がむずむずするため、何かを噛むことで不快感を和らげようとします。家具やスリッパが犠牲になることが多いのは、そのためです。

この時期は叱るよりも、噛んでいいものを用意することの方が重要になります。

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ここまで見てきたように、犬の破壊行動にはさまざまな原因があります。しかし、その中でも特に多いのは、運動不足と退屈です。

つまり、犬のエネルギーが満たされていない状態。この状態を改善することができれば、破壊行動は大きく減ります。

では、具体的にはどのくらい運動させればいいのでしょうか。また、ただ歩くだけの散歩では足りないといわれる理由は何なのでしょうか。

次の章では、
破壊行動を根本から減らすための運動の考え方について、詳しく解説していきます。

第3章|最も効果的な方法 ――「運動」を見直す

ここまで、犬が家具を壊してしまう主な理由について見てきました。

・運動不足
・退屈
・刺激不足
・分離不安
・歯の生え変わり

この中でも、特に多いのが 運動不足と退屈です。つまり、犬のエネルギーが発散できていない状態。この状態を改善することができれば、破壊行動は大きく減ります。

そして、そのための最も確実な方法が――運動量を増やすことです。これはとてもシンプルな話ですが、実際には多くの家庭で見落とされがちなポイントでもあります。

なぜなら、私たちはつい「散歩には毎日行っているから大丈夫」と思ってしまうからです。

しかし、散歩の時間や内容が犬に合っていない場合、犬のエネルギーはほとんど消費されていないこともあります。その結果、家に帰ってから暴れる、家具を噛む、クッションを壊すといった行動が出てしまうのです。

犬の運動は「時間」だけでは足りない

犬の運動というと、多くの人は「散歩の時間」を思い浮かべます。しかし、犬にとっての運動は 単純な歩行だけではありません。犬が本当に満足するためには、以下の3つが必要です。

・体を使う運動
・頭を使う活動
・本能を使う行動

例えば、ただゆっくり歩くだけの散歩を30分したとしても、犬によってはほとんど疲れないことがあります。特にジャックラッセルテリアのような犬種では、「散歩が終わったあとが一番元気」ということも珍しくありません。

エネルギーがまだ余っているから!

破壊行動を減らす理想の運動量

では、どのくらい運動させればよいのでしょうか。

犬種や年齢によって多少の差はありますが、エネルギーの多い犬の場合、ひとつの目安になるのが次のような運動量です。

朝と夜、合計で120分以上。

これは「必ず2時間歩かなければいけない」という意味ではありません。

例えば、以下のアクションを組み合わせて、犬のエネルギーをしっかり発散させます。

・速歩きの散歩
・ボール遊び
・引っ張り遊び
・ドッグランでの自由運動

特にテリア系の犬は、全力で走る時間があると満足度が大きく変わります。リードをつけて歩くだけでは、犬の本来の運動量を満たせないことも多いのです。

犬は「鼻」を使うと疲れる

もうひとつ、とても重要なポイントがあります。それは、犬は鼻を使うと疲れということです。

犬は嗅覚の動物です。人間の数千倍ともいわれる嗅覚を持っており、匂いを嗅ぐことは犬にとって非常に重要な活動です。

そのため、散歩のときに「早く歩きなさい」と急かしてしまうと、犬は十分に満足できないことがあります。逆に、以下のようなことをさせると、犬はかなり疲れます。

・好きなだけ匂いを嗅がせる
・草むらを探索させる
・地面の匂いを追わせる

これは「脳を使う活動」だからです。人間でも、長時間考えごとをすると疲れますよね。犬も同じで、嗅覚を使うことで精神的なエネルギーが消費されます。

その結果、家に帰ったあと落ち着いて過ごせるようになります。

ドッグランという強力なリセット

もし近くにドッグランがあるなら、ぜひ活用したい場所です。ドッグランの最大のメリットは、犬が自由に走れること

リードをつけた散歩では、どうしても犬の動きは制限されます。

しかしドッグランでは、本来の犬らしい運動ができます。

・全力で走る
・方向転換する
・追いかけっこをする

特にジャックラッセルテリアのような犬種は、ドッグランで10分爆走するだけでも、散歩1時間分くらいの満足感を得ることがあります。

もちろん、すべての犬がドッグランに向いているわけではありませんが、犬同士の相性が合う、安全に遊べる環境がある場合には、とても効果的な運動になります。

「疲れた犬」は家で穏やかになる

犬の破壊行動について考えるとき、とても分かりやすい指標があります。それは、犬が満足して疲れているかどうか。

しっかり運動した犬は、家で落ち着く、ぐっすり眠る、家具に興味を示さないことが多くなります。

つまり、破壊行動を減らす一番の近道は、犬が満足する生活を作るこなのです。


ただし、運動だけで完全に解決するわけではありません。

犬にとって「噛む」という行動は、本能的にとても重要なものです。そのため、噛んでもよいものを用意することも、破壊行動の対策として非常に大切になります。

第4章|「噛む仕事」が必要 ―― 噛んでいいものを与える

犬の破壊行動について考えるとき、もうひとつ重要なポイントがあります。

それは、犬は噛む動物であるということです。犬にとって「噛む」という行動は、本能的で自然なものです。野生の犬やオオカミを想像すると分かりやすいでしょう。

彼らは獲物を捕まえ、噛み、引き裂き、骨を砕きながら食べます。つまり、噛む行為には様々な役割があります。

・食事
・狩り
・遊び
・ストレス発散

ところが家庭犬の場合、この「噛む仕事」が不足してしまうことがあります。

ドッグフードは柔らかく、数分で食べ終わります。狩りをする機会もありません。すると、犬は自然と「噛めるもの」を探すようになります。

そして、その対象になりやすいのが、

・クッション
・家具の脚
・スリッパ
・リモコン
・木製家具

犬からすると、「噛みやすそうなものがあったから試してみた」だけなのですが、飼い主からすれば大問題です。だからこそ大切なのは・・・

犬にとって満足できる「噛んでいいもの」を用意すること。これが破壊行動を減らすうえで、とても効果的な対策になります。

長く噛めるおやつを用意する

まずおすすめなのが、長時間噛めるおやつです。馬アキレス腱、鹿の肋骨など硬めのおやつは、犬が長い時間楽しむことができます。こうしたおやつにはいくつかのメリットがあります。

まず、噛むことで犬のストレスが発散されること。そしてもうひとつは、犬の満足感がとても高いこと。犬は噛むことで落ち着きます。

実際、硬いものを噛んでいるときの犬は、かなり集中しています。そして十分に噛んだあとには、満足して静かに休むことが多くなります。

ただし注意点もあります。

あまりに硬すぎるものを無理に噛むと、歯を痛めてしまうことがあります。特に力の強い犬の場合、長時間与えすぎないようにするなど、様子を見ながら使うことが大切です。強烈に硬いヤクミルクチーズや鹿のツノや牛のヒヅメのような硬さは要注意です(あらしん堂としてはお勧めしません)。

噛み応えのあるおもちゃを用意する

おやつだけでなく、噛んで遊べるおもちゃも役立ちます。代表的なのが、次のようなタイプです。

・コング
・ロープトイ
・硬めのラバートイ
・革製のおもちゃ

こうしたおもちゃは、犬が噛んだり引っ張ったりする遊びに向いています。特にコングのようなおもちゃは、中にフードやおやつを入れることができるため、頭を使いながら遊ぶ知育玩具としても優れています。

犬はおやつを取り出すために、様々な行動をします。

・転がす
・噛む
・舐める
・押す

このような活動は、犬の退屈を防ぐのにとても効果的です。加えて、万難を乗り越えておやつを獲得した時の満足感、幸福感は非常に高いものとなります。

また、飼い主と一緒にロープトイで引っ張り遊びをするのもおすすめです。引っ張り遊びは犬の本能を満たすだけでなく、飼い主とのコミュニケーションにもなります。

子犬には「歯のかゆみ対策」を

子犬の破壊行動の場合、原因はかなりシンプルです。歯がむずむずするから噛む。生後3〜7ヵ月の時期は、乳歯から永久歯に生え変わるタイミングです。このとき、歯茎がかゆくなるため、家具やスリッパを噛んでしまうことがあります。

この時期の対策としてよく使われるのが、冷凍タオルです。方法はとても簡単で、濡らしたタオルを軽く絞って冷凍するだけ。これを子犬に渡すと、歯固めとして噛むことができます。

冷たさによって歯茎の不快感も和らぐため、多くの子犬が気に入ります。

「噛んでいいもの」を明確にする

犬のしつけで大切なのは、ルールを分かりやすくすることです。つまり、噛んではいけないもの/噛んでもいいものをはっきり区別すること。

例えば、家具を噛んだときは止める。おもちゃを噛んでいるときは褒める。こうした対応を繰り返すことで、犬は「これは噛んでいいものなんだ」と理解していきます。

ただし、ここでもやはり重要なのは、犬が満足できる環境を作ることが前提です。

もし運動不足や退屈が続いていると、おもちゃがあっても家具を噛んでしまうことがあります。

「十分な運動」+噛んでいいものの用意」、この両方がそろって初めて、破壊行動は減っていきます。


しかし、それでも完全に防げるとは限りません。犬は好奇心が強い動物なので、どうしても家具に興味を持ってしまうことがあります。そこで次に重要になるのが、そもそも壊せない環境を作ること。

次の章では、
犬の破壊行動を防ぐための 環境づくりの工夫 について、具体的に紹介していきます。

第5章|破壊させない環境を作る ―― しつけより「設計

犬の破壊行動について考えるとき、もうひとつ大切な視点があります。それは、犬を変えようとするより、環境を変える方が早いことです。

犬にとって、家の中はとても興味深い場所です。

クッションは柔らかく、
木の家具は噛み心地がよく、
スリッパは振り回すと楽しい。

つまり、人間の生活空間は、犬にとって魅力的な遊び場でもあるのです。そのため、「噛むな」と教えるだけでは限界があります。特に若い犬の場合、衝動の方が先に出てしまうことも珍しくありません。

だからこそ大切なのが、そもそも壊せない環境を作ること。

これは「甘やかし」ではなく、犬のしつけではとても重要な考え方です。子どもが小さいとき、危ないものを手の届く場所に置かないのと同じです。

家具の角を守る

犬が家具を噛むとき、多くの場合狙われるのは角の部分です。家具の角は噛みやすく、歯がかかりやすい形をしています。そのため、ソファの脚、テーブルの角、木製家具の端などがターゲットになりやすいのです。

この対策として有効なのが、家具カバーや保護材を使うこと。市販のコーナーガードやカバーを取り付けることで、犬が噛みにくくなります。また、布を巻いたりカバーをかけたりするだけでも、興味が減ることがあります。

クッションやスリッパは置きっぱなしにしない

犬が破壊しやすいものの代表が、クッション、スリッパ、ぬいぐるみです。柔らかく、振り回すと楽しいため、犬にとっては最高の遊び道具になってしまいます。

特にクッションは、破る→ 中身が出る→→ さらに楽しい!かなり強力な遊びになります。一度この楽しさを覚えると、犬はまたやりたくなります。

そのため、犬が自由に出入りする場所に置かないことが、とても効果的です。これはしつけというより、誘惑を減らす工夫です。

コード類は必ず整理する

破壊行動の中でも特に危険なのが、電気コードを噛むこと。これは感電の危険があるため、必ず対策が必要です。

例えば、以下のような工夫をすると安全性が高まります。

・コードカバーを使う
・家具の裏に通す
・床に垂らさない
・ケーブルボックスに収納する

犬が噛める状態のままにしておくのは、とても危険です。

留守番のときはサークルを活用する

飼い主が外出している時間は、犬の行動を完全に見守ることができません。そのため、留守番中に破壊が起きるケースも多くあります。

この場合に有効なのが、ケージやサークルの活用です。犬が安心して過ごせるスペースを用意し、安全なおもちゃ、噛めるおやつなどを置いておくことで、留守番中の破壊を防ぐことができます。

サークルは「閉じ込める場所」ではなく、犬が安心して休める場所として使うのが理想です。

噛み癖防止スプレーは最終手段

家具の破壊対策としてよく使われるのが、ビターアップルなどの苦味スプレーです。

これを家具に吹きかけておくと、犬が舐めたときに苦味を感じるため、噛みにくくなります。実際、一時的に効果が出ることもあります。ただし、これは根本的な解決にはなりません。

犬が運動不足や退屈を感じている場合、別のものを噛み始めることがあります。そのため、スプレーはあくまで補助的な対策として考えるのがよいでしょう。

叱るときは「現行犯」が基本

犬を叱るときに最も大切なのは、現行犯であること

つまり、犬が家具を噛んでいるその瞬間に伝える必要があります。もし時間が経ってから叱っても、犬は「なぜ怒られているのか」理解できません。

家具を噛んでいるのを見つけたときに、落ち着いた低い声で「NO」「ダメ」と短く伝えます。

そしてすぐに、噛んでいいおもちゃに誘導するのが理想です。こうした対応を繰り返すことで、犬は少しずつルールを理解していきます。


ここまで、

・運動
・噛むもの
・環境

三つの視点から、破壊行動の対策を見てきました。しかし実際には、理屈通りにいかないこともあります。

「いろいろ試しているのに、なかなか改善しない」そんなとき、飼い主はかなり悩みます。

実は、わが家も同じでした。甲斐犬MIXの あられ が家に来た最初の一年は、まさに 破壊魔王 だったのです。

次の章では、
わが家の犬たちの実体験――

破壊魔だったあられが、どうやって破壊をやめたのか、その試行錯誤についてお話しします。

わが家の破壊魔あられ~ 試行錯誤の1年

ここまで、犬が家具を壊す理由や対策について説明してきました。しかし正直に言うと、これらのことは最初から分かっていたわけではありません。わが家でも、しっかりと「破壊問題」を経験しています。それも、なかなかのレベルで。

その主役が、甲斐犬MIXの あられ です。

あられが家にやってきた最初の一年は、本当に大変でした。今では落ち着いているので笑い話のように言えますが、当時は「これはどうすればいいんだろう…」と、かなり悩んでいた記憶があります。

家の中のものが次々と消えていく

あられがまだ若かったころ、わが家ではいろいろなものが壊されました。

・ソファの脚
・家の柱
・木製家具の角

そして特に困ったのが、リモコンです。

テレビのリモコンが、ある日突然なくなる。探してみると、部屋の真ん中に散らかった、何らかの破片— ボタンはバラバラ、プラスチックは噛み跡だらけ。よくわからないパーツたち。

これが一度ではありません。
結局、リモコンは 三台 やられました。

ちなみに、リモコンは地味に高い。だいたい 3,500円くらい しました。今はもっと高いかも。

「またか……」と、かなりのダメージです。

危険だったコード事件

家具の破壊はまだしも、本当に焦ったのが電気コードでした。

ある日、扇風機のコードが噛みちぎられていたことがあります。幸い感電などの事故にはなりませんでしたが、これはさすがに怖い。

「これは本気で対策しないとまずい」と思いました。

いろいろ試した対策

当時、わが家でもいろいろな対策を試しました。

まず導入したのがコング。中にフードを入れて遊べるおもちゃです。これは確かに効果がありました。しばらく集中してくれるので、その間は家具に興味が向きません。

次に試したのが、ビターアップル(苦味スプレー)。家具に吹きかけておくと、犬が舐めたときに苦味を感じるというものです。これも一時的には効果があったような気がします。

しかし、やはり根本的な解決にはなりませんでした。別のものは噛まれたから。犬からすれば当然の行動です。

転機は「運動量の見直し」

破壊行動が減り始めたきっかけは、生活スタイルを変えたことでした。

つまり、犬の運動量を大きく増やしたのです。現在、わが家では早朝と夕方、それぞれかなり長めの散歩をしています。

時間にすると、1回2時間近い散歩になることもあります。もちろん、これは家族で分担しています。一人で全部やるのはなかなか大変です。

散歩のときは、「歩かせること」よりも匂いを嗅ぐことを大切にしています。犬は匂いを追うことで、かなり脳を使います。そのため、急がせるのではなく、犬が興味を持った匂いをゆっくり嗅がせるようにしています。

わが家では散歩のことを「匂い嗅ぎたい放題90%保証ツアー」と呼んでいます。
詳しいブログはこちら

この方法に変えてから、あられの様子が少しずつ変わっていきました。

週末はドッグラン

さらに、週末はできるだけドッグランに行くようにしました。広い場所で思い切り走ることができると、犬の満足度はとても高くなります。特に他の犬と追いかけっこをして遊ぶと、かなりエネルギーを使います。

ドッグランから帰ったあとのあられは、まるで別の犬のようでした。家に帰ると、ぐっすり眠る。家具に興味を示すこともありません。

気づいたときには破壊がなくなっていた

こうした生活を続けていくうちに、あることに気づきました。

「あれ?」最近、家具が壊れていない。気づけば、ソファも無事。柱も無事。リモコンも無事。破壊行動は、ほとんど見られなくなっていました。

特別な訓練をしたわけではありません。

ただ、犬が満足できる生活に変えただけ。それだけで、行動が変わったのです。

しんのすけの場合

その後、わが家にはもう一頭、ジャックラッセルテリアの しんのすけ がやってきました。

ジャックラッセルといえば、言わずと知れた エネルギーの塊 のような犬種です。正直、「また破壊魔から始めるのか…」と少し覚悟していました。

そして実際、最初のころに 木のゴハン皿 を破壊されました。「やっぱり来たか」と思いました。しかし、結果は意外なものでした。

あられと同じ生活リズムで、

・しっかり散歩
・ドッグラン
・引っ張り遊び

などを続けていたところ、それ以降、破壊行動はほとんど見られません。

ドッグランで爆走したり、枝やおもちゃを引っ張り合ったりして、特に健脚のあられとの駆けっこでエネルギーが十分に発散されているようです。


この経験から、強く感じたことがあります。それは、犬を変えようとするより、生活を変える方が早いことです。

そしてもうひとつ。破壊行動を防ぐ一番の近道は、犬をしっかり疲れさせること。

次の章では、この経験から感じた「破壊魔卒業」の本当の意味について、もう少しお話ししたいと思います。

第7章|破壊魔を卒業するということ

犬が家具を壊す。その瞬間、飼い主はたいていこう思います。

「どうしてこんなことをするの?」

家具はボロボロ。
クッションの中身は部屋中に飛び散り、掃除は大変。

感情的に怒ってしまうこともあります。しかし、犬の立場から見ると、その行動は決して「悪いこと」をしているつもりではありません。

犬にとっては、噛む、引き裂く、振り回す、掘る・・・行動は、すべて自然なものです。むしろ、それは犬らしい。問題なのは、そのエネルギーの行き場がないこと。

もし犬が十分に運動し、満足していれば、家具やクッションに興味を持つことはほとんどありません。

疲れていれば、犬は休みます。満足していれば、落ち着きます。つまり、破壊行動は犬の問題というより、生活の設計の問題です。

犬は「満たされる」と穏やかになる

わが家のあられも、しんのすけも、今では家具を壊すことはありません。しかし、それは「しつけが成功した」からではありません。

・よく歩き
・よく走り
・よく遊び
・よく眠る

そんな生活になっただけです。

特にドッグランで思いきり走った日の夜などは、本当に静かです。家に帰ると、水を飲んで、横になって、眠る。その姿を見ると、「ああ、満足したんだな」と感じます。

今や、うちの犬は家具をかじるどころか、飼い主の持ち物の何にも触りません。…そうなってくると、なんだか寂しい感じも。。。←勝手な飼い主。

飼い主の生活も変わる

ここで、ひとつ・・・犬の運動量を増やすと飼い主の運動量も増えます。

これは避けられません。

散歩が長くなる。
ドッグランに行く。
遊びに付き合う。

当然、体は動かします。最初のうちは、「今日はちょっと疲れたな」と思うこともあります。しかし、気がつくと自分の体調も変わってきます。

歩く習慣ができる。外に出る時間が増える。季節の変化を感じる。

犬の散歩は、人間の健康習慣でもあります。犬を運動させるつもりが、気づけば自分の健康にもつながっている。これは、犬と暮らすことの面白いところでもあります。

多頭飼いという選択

もうひとつ、破壊行動を減らす方法として言われるのが多頭飼いです。お金もかかるので、慎重に考える必要があります。

しかし犬同士で遊ぶことができる環境では、犬の運動量が自然と増えます。追いかけっこをしたり、引っ張り遊びをしたり。人間が相手をするよりも、はるかに激しい運動になります。

わが家でも、あられとしんのすけが一緒に遊ぶことで、かなりエネルギーが発散されているようです。もちろんすべての家庭に当てはまるわけではありませんが、犬同士の関係がうまくいく場合には、とても自然な運動環境になることがあります。

犬を「破壊魔」にしないために

犬の破壊行動に悩んでいると、つい犬の性格の問題だと思ってしまうことがあります。しかし多くの場合、それはエネルギーが余っているだけです。

そして、そのエネルギーの出口を作ってあげることで、犬の行動は大きく変わります。家具を壊す犬が、急におとなしくなるわけではありません。

ただ、満足できる生活になるだけなのです。
そしてその生活は、犬だけでなく飼い主にとっても、きっと豊かな時間になります。

散歩の途中で見上げる空。
季節の匂い。
犬が嬉しそうに走る姿。

そうした時間の積み重ねが、犬との暮らしを少しずつ変えていきます。

第8章|思いきり遊んだあとの「満足タイム」
たくさん歩いた日。
ドッグランで思いきり走った日。

あの満足した顔を見ると、
「ああ、今日もしっかり遊んだな」と感じます。

そして、そんな時間のあとにもうひとつ犬が好きなのが、

ゆっくり噛む時間。

運動でエネルギーを発散したあとに、噛みごたえのあるおやつを少し。これは犬にとって、リラックス、満足感、ストレス解消につながる時間でもあります。

もし噛むおやつを探している方がいたら、あらしん堂では 完全無添加のおやつをいくつか用意しています。

例えば、

馬アキレス:しっかり噛めて長く楽しめる定番のおやつ。

ぱきぱき秋鮭:サクッとした食感で、運動後のご褒美にもぴったりです。

そして、あらしん堂のおやつは売上の1割を保護犬・猫の活動に寄付しています。

おやつを選ぶことが、少しだけ他の犬や猫の命につながる―そんな形も作れたらいいなと思っています。

あなたの“お買い物”が、誰かの“いのち”を救う。

飼い主の愛を失った子たちに、もう一度ぬくもりを。 あらしん堂では、売上の一部を保護犬・保護猫の支援に役立てています。 「命をつなぐお買い物」に、あなたも参加しませんか?

この記事の著者

三好 美佐子

野犬だった「あられ」、保護施設にいた「しんのすけ」との生活7年め。甲斐犬、ジャックラッセルテリアの養育難度の高さに必死にしつけや犬の栄養を学ぶうちに、動物の真の健康と幸せを深く探求するように・・・。金融機関での勤務歴35年、「社会貢献と幸せな消費が結びつく意義」に賛同する同僚たちに支援される形であらしん堂をはじめました!

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