犬がご飯を食べない?!:原因と効果的な治し方
多くの飼い主が悩む問題のひとつ、犬の偏食、好き嫌い。この記事では、その治し方を詳しく解説します。原因は色々考えられますが、食事に工夫を加えて犬の食欲を取り戻す方法、嫌いなものを食べさせるための効果的な方法、そして最難関、わがままの治し方を解説します。
犬の好き嫌いの原因は?
犬が食べ物を嫌がる理由はさまざまです。主な原因として以下の点が挙げられます。
- 経験の不足: 子犬の頃に幅広い食材に慣れていないと、大人になってから新しい食べ物に対して抵抗を感じることがあります。
- 食感や匂いが苦手: 犬は食べ物の匂いや食感に敏感です。特定の食感や匂いが嫌いで食べないことがあります。
- 過去のトラウマ: 一度不快な経験をした食べ物(例えば、消化不良を起こしたもの)を避ける傾向があります。
- 単なるわがまま: 一度拒否したら、その次にはもっと美味しいものが出てきた経験があると犬は飼い主に挑戦してきます。
犬が嫌いな食べ物を克服するためのサポート
犬が嫌いな食べ物も、少しの工夫で好きな食べ物に変えることができます。
- トッピングする: 嫌いな食べ物に犬が好きなトッピング(さつまいも、かぼちゃ、ヨーグルトなど)を少量加えると、匂いや味が変わって食べやすくなります。
- 温める: 犬は温かい食べ物を好むことが多いので、もし、冷たい食べ物を嫌がるのであれば、少し温めて与えると興味を示すことがあります。
- 柔らかくする: ドライフードが嫌いな場合、ぬるま湯を加えて柔らかくするか、またはウェットフードと混ぜることで食べやすくなることがあります。
好き嫌いを改善するためのステップ
ステップ1: 少量から試す
まずは犬が嫌いだと主張する食材を、好きな食べ物と混ぜて少量から与えます。犬が食べ物に慣れるように徐々に量を増やしていくのがポイントです。
ステップ2: ポジティブな関連付けを行う
嫌いな食べ物を与えるタイミングを犬がリラックスしている時に合わせると、ポジティブな経験として受け入れやすくなります。遊びや散歩の後など。
ステップ3: 食事時間の制限を設ける
食べ物を長時間放置せず、食事時間を15〜30分に限定することで、犬は食べる時間を意識し、「食べない」選択肢を減らすことができます。
ステップ4: 犬の要求に乗らない
後述の「わがままなら治す」で詳しく述べます。
獣医に相談すべきタイミング
環境の変化やストレス、体調不良が原因で食べ物の好みが変わることがあります。極端に体重が減ってしまったり、栄養不足が心配な場合は、獣医に相談することが大切です。特に以下の症状が見られる場合は、早めに受診してください。
- 食べ物を完全に拒否する
- 嘔吐や下痢が続く
- 活動量が減少する
もしわがままなら、しっかり治す
●なぜ、わがままになっているか:立場の勘違い
体調が悪くもないのに、突然、今まで食べていたフードを拒否するようになることがあります。慌てた飼い主さんは、あれこれと提供してみることに。新しいフードはとりあえず食べてくれた。でも、しばらくするとまた食べなくなり、別のフードを。切りがなくて途方に暮れる飼い主さんが多いのではないでしょうか。
愛犬側は、拒否すれば次々に提供される新しいフードを楽しく思い「ほら、次のを持ってきてよ。食べないと困るでしょ?」となっているのです。
そもそも食べ物は誰のものか?犬の本能として、食べ物は群れのリーダーから分けていただくものです。愛犬が飼い主をリーダーと認めていれば、出されたものをありがたく食べるはずで、おやつの要求吠えなどもしなくなります。
しかし、犬が拒否すれば別の食べ物が出てくるようでは、犬の意思通りに飼い主が動いていることになりますので、リーダーは犬の方ということになります。この勘違いを訂正し、飼い主が与えるものを食べてもらうようにしなければなりません。
●勘違いの治し方
これを直すには、飼い主さんが愛犬に食べてほしいフードを出し続けましょう。いつもの朝のごはんの時間に、30分間だけ出し、食べなければ下げます。次のフードチャンスは、いつもの夕方のごはんの時間です。夕方に食べなければ、同じように30分経ったら下げます。そして、翌朝のごはんの時間にまた出します。
何回かパスされると飼い主さんは心配になりますが、犬は目の前に食べ物がある限り、餓死するまで食べないなんてことはありませんから、ひるまずに根競べです。
●家族で共有、確認
この方法を実行したけれども一週間以上も拒否し続けられ、根負けしそうになった飼い主さんがいました。原因をよくよく調べたら、おじいちゃんが陰でおやつをあげていた・・とのことでした。
おやつだけでお腹を満たしていては栄養が偏ります。ごはんを食べない問題意識を家族全員で共有し、方針を確認してから始めてください。